お知らせ

 

 

 本校は平成28年4月に旧白水中学校、旧久木野中学校、旧長陽中学校が統合して新設・開校した南阿蘇村唯一の中学校です。本校区は南外輪山と阿蘇五岳を望む豊かな自然に恵まれた東西に幅広い校区です。米作を中心とする農業が盛んな地域ですが、国道をはじめ俵山トンネル、南阿蘇トンネル等の開通により、産業・観光・保養所、別荘地開発等においても豊かな発展を遂げてきました。しかし、開校一週間後に発生した熊本地震により、阿蘇大橋や俵山トンネルの崩落、鉄道の寸断などで交通網が遮断されたとともに、住宅や農地、観光施設等も甚大な被害を受け、本校の多くの生徒も被災しました。当時は、通学路や鉄道、家屋が大きな被害を受けたことで、区域外就学を余儀なくされ他校で勉強している生徒や避難所や仮設住宅から通学してくる生徒、村内の親戚の家等から通学してくる生徒など厳しい状況の中でしたが、全国各地からの激励をはじめ「創造的復興」を合言葉に日々の教育活動に取り組んできたことで、今日を迎えるに至っています。

 このような月日を経て、今年度、本校は開校9年目を迎えました。そこで、わたしは、前年度の学校教育目標「Brush Up! Light Up!」を継承しつつ、令和6年度の学校教育目標を「夢が湧き、夢を叶えることに夢中になれる生徒の育成」としました。この目標には、次の3つの想いを込めています。

  • 「夢が湧き」とは、水の生まれる郷として名高い南阿蘇村の湧き水のように、叶えたい夢が生徒一人ひとりにも湧き出す様を表しており、将来の夢はもとより、明日叶えたい夢を生徒に持たせられるような学校づくりを目指します。
  • 「夢を叶えることに夢中」とは、明日叶えたい夢を一つ一つ叶えていく喜びや達成感を日々実感させていくことで、いつしか「こんな夢を叶えたい」という、未来へのわくわく感を持たせられる学校づくりを目指します。
  • 本校は、旧白水中・旧久木野中・旧長陽中の3校が統合した学校であり、校区も大きく旧白水村・旧久木野村・旧長陽村から成ります。そんな本校の歴史や強みを、かつての戦国時代の武将、毛利元就が説いた「三本の矢」に重ねて、学校教育目標にも「3つの夢」を込めることで、「夢の実現」を目指す学校づくりへの確固たる決意を示しました。

 また、本校生徒会では「創造 ~未来へつなぐ第一歩~」というスローガンを掲げてくれました。「(コロナ禍をはじめ)これまで、なかなか思うような活動が展開できなかったので、今年は新しいことを創っていきたい」との思いが込められたスローガンです。このことからも、生徒らが「こんな学校にしたい」という未来への夢を一つ一つ積み重ねながら、新たな学校文化の創造に夢中になっている姿が想像できて、わくわくします。わたしたち教職員一同も、夢を叶えることに夢中になる生徒らを、一丸となって全力でサポートしたいと思います。

 昨年7月には南阿蘇鉄道の全線が開通し、同時に校区内に震災ミュージアムKIOKUもオープンされました。さらに、本年2月には阿蘇立野ダムが完成される等、この8年間でわたしたちの身の周りは、多くの関係者の皆様のご尽力により着実に復興を遂げています。このような活力あふれる中だからこそ、わたしたちはこの熊本地震を決して風化させることなく、この苦難を乗り越えて今日という日を迎えていることへ常に感謝しつつ、夢を叶えることに夢中になっている生徒たちの成長が約束された学校になるよう邁進してまいります。保護者の皆さま、そして地域の皆様、南阿蘇中学校をどうぞよろしくお願いいたします。  

                             令和6年4月1日

                               南阿蘇中学校長 大谷 浩介