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2020年12月の記事一覧

2学期終業式「生徒代表意見発表」から

今日の2学期の終業式は、放送で行いました。

4人の生徒代表の意見発表から、牛深東中の2学期を振り返ってみましょう。

 

1年生代表 尾谷(鉄)くん

2学期の反省と3学期の抱負

私が2学期を振り返って良かった点は、2学期が始まってすぐは、友達と密になることが多かったのですが、2学期の終わりには、しっかり密を避けられていたことです。

改善できた理由は、先生方から触れ合わないことや大声を出さないことを、注意されていましたが、一日一日と過ぎていく間に、密を避けようという意識ができていたからです。

課題点としては、それでもまだ「密だ」と言われる場面があることです。

特に、声の大きさを調整することができていませんでしたので、3学期にはできるように努力をしたいと思います。

明日からの冬休みは、コロナの感染が広がっているので、外から帰ってきたときには必ず手洗いやうがいをして、健康に気をつけて過ごしたいと思います。

また、3学期からは、1年生の生徒会副会長を務めます。

生徒の皆さんのために、よりよい学校づくりを目指して頑張りたいと思います。

 

 

2年生代表 宇左美くん

2学期頑張ったこと

僕が2学期頑張ったことは、社会の期末テストです。

2学期は納得のいく点数が取れませんでした。

だから、2学期は早くワークなどを終わらせ、何度も問題を解きました。

すると、自分の納得のいく点数を取ることができました。

そこで、これからのテストでも続けていきたいです。

他にも、部活をがんばりました。

僕は、スタメン出場することがほとんどできませんでした。

だから、絶対スタメン出場して活躍したいという気持ちを持って、今までで一番の練習をしました。

それでも結果が出ないことが、ほとんどでした。

それでも、あきらめず練習しました。

すると、最近の試合では、ヒットを打つなど結果を出すことができました。

これからも、どんなにきつくても妥協せず、自分に厳しく練習を続け、スタメン出場して活躍したいです。

そして冬休みには、家の手伝いをしたいです。

 

 

3年生代表 上羽くん

2学期の振り返りと冬休みの抱負

例年よりも長い2学期でしたが、僕は頑張ったことで心に残っていることが2つあります。

まず、体育大会のダンスリーダーです。

みんなに教えるために、早めに振り付けや歌詞を覚えられるよう努力しました。

結果として、体育大会本番で、みんなとよいダンスを踊ることができたので、よかったです。

反省点として、自分から行動することがあまりなかったので、今後何かのリーダーをするときは、自分から行動できるように心がけたいです。

次にハイヤです。

本番の発表に向けて、少ない練習を頑張り、3年生として満足のいくものにすることができました。

総合センターのステージで発表し、拍手をもらった時は、達成感を感じることができ、努力の大切さを再確認しました。

3学期はいよいよ受験本番です。

冬休みに取り組みたいことは、体調管理と勉強です。

大事な高校入試に向けて、自分が納得できる思い通りの結果が出せるように、しっかりと取り組んで備えようと思っています。

 

 

生徒会代表 後迫さん


2学期を振り返って

今年は例年より短い夏休みを経て、長い2学期が始まりました。

1学期とは違い、新型コロナウィルス対策にも取り組みながら、たくさんの行事が行われました。

まず1つ目の大きな行事として、体育大会がありました。

夏休み中から各リーダーで練習や制作に入り、短い期間ではありましたが、各自満足のできるものができていたと思います。

体育大会当日も、短い時間でしたが、内容の濃い時間が過ごせたと思います。

2つ目は、文化発表会がありました。

2、3年生のハイヤ踊り、1年生のリズムアンサンブル、吹奏楽部の演奏、そしてMICAさんによる特別授業。

例年とは違う形にはなりましたが、自分たちの練習の成果を発揮する良い機会だったと思います。

3つ目に生徒会選挙・立会演説会がありました。

来年の東中を背負っていくリーダーたちの意気込みを聞くことができ、また、生徒たちの前でお互いに質問をするやりとりを聞きながら、「自分たちが引っ張っていく東中をどうしたいのか」をより深く知ることができた時間だったと思います。

そして最後に、生徒会四役の活動として、1学期はできていなかった「全員遊び」も行うことができました。

他学年との交流の場が、少しで増えたのであればよかったなと思います。

3学期は、新生徒会四役が頑張って引っ張っていってくれると思います。

3年生は受験に向けて、1、2年生は新しい学年に向けて3学期も頑張りましょう。

 

この後、私からは「体も心もコロナに負けない」生徒の皆さんへのお礼と、

クラスメートや先生方、家族の方にも感謝の気持ちを伝えてほしいと話しました。

以下は、そこで紹介した「グッジョブ!カード」です。

 

皆さん、2学期もこの欄をご覧いただき、ありがとうございました。

次回は令和3年1月7日の始業式の日に掲載予定です。

どうぞ、よいお年をお迎えください。

 

「親の子ども時代の写真」を見せてみましょう

多くのご家庭でもおありかと思いますが、

私も子どもが幼い頃、自転車に乗る練習をいっしょにしたことがありました。

子ども用の自転車に乗せ、荷台をつかんで、後ろからいっしょに走ってあげます。

「いいぞ、いいぞ、その調子」

とか言いながら走らせますが、それでも子どもはバランスを崩して倒れたりします。

激しく倒れないように荷台を持っていたりするわけですが、

子どもが何回もうまくいかなくて、半べそをかいても

「もう1回、もう1回」

と励まして乗せます。

「大丈夫、大丈夫。お父さんもすぐには乗れるようにはならなかったぞ」

 

そのうち、長く乗れるようになって、ハンドルが大きくぶれてバランスを崩すようなことが減ってきたら、

頃合いを見て手を離してやります。

「できた。できた」

とほめて、また励まします。

まあ、このようにして自転車の練習をするものではないでしょうか。

 

これが、「転ぶのがかわいそうだから」と大人が手を離さないままだったり、

ずっと補助輪を付けたまま外さなかったりするなら、どうでしょう。

いつまでも一人で自転車をこぐことは、できないかもしれないのではないでしょうか。

 

自転車の練習をする女の子のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

このようなことを思い返したのは、次の記事を目にしたからです。

 

開成の元校長が語る「親の子ども時代の写真を見せること」の効果


大学進学で実績のある進学校、開成中学・高校の校長を長く務められた、柳沢幸雄先生のお話です。

少し長いですが、引用してみます・

*****

子どもの失敗、大いにけっこう! 親が先回りして失敗を防いではダメ

学校の勉強、友達関係、受験や部活動……。

保護者は、つい子どもが心配になり、先回りして、失敗しないように手はずを整えてしまいがちですが、それはやらないほうがいい。
失敗しない人生を目指さなくていいのです。

保護者の方も、考えてみれば、たくさん失敗してきているはずです。

でも、ちゃんと生きています。失敗したからこそ、今の自分があるのです。

その自分に自信を持てばいい。
むしろ、保護者の方は、子どもに失敗したときのことを話してあげてください。

親が子ども時代のことを、子どもに伝えるのはとても大切なことです。

親にも子ども時代があったのだと。

そのときにはやんちゃだったり、忘れん坊だったり、恥ずかしがり屋だったり、

自分のリアルな様子も話すと、子どもはほっとします。

 *****

そこが聞きたい:子供の才能伸ばすには=開成中学・高校校長 柳沢幸雄氏 - 毎日新聞

そして、柳沢先生は

「保護者の子どもの頃の写真や、卒業文集があったら、ぜひ子どもに見せてあげましょう」

と提案されています。

 

*****

親がカビ臭い昔の、あるいはだれかが作った理想像を掲げ、

「こういうふうになってほしい」「なぜなれないんだ」と子どもを責め立てたら、

それは自分の人生を棚に上げたことになり、血の通ったあたたかみのある話にはなりません。

それより、失敗を乗り越えた自分を子どもに語り、

笑いの中から、歩むべき道を自分の行動から教えてあげましょう。

*****

 

これは、私の好きな相田みつをさんの書の一つです。

受け身を教えるときも、大人がまずやって見せることでしょう。

 

 

もうすぐ冬休みです。

今年の年末年始は、外出を控え、家庭で過ごされる時間も増えるのではないでしょうか。

その家族の時間の中で、ご自分の中学生時代の写真などを囲みながら、

楽しくお話をしていただくのもいいのではないかと思います。

桑田佳祐X芥川龍之介

本校の朝の放送は、文化発表会以降、ずっとMICAさんの「繋がってる」「天海」です。

今週は給食の時間には、「クリスマス・ソング特集」が放送されています。

文化放送委員会が潤いのある学校生活のために、工夫して活動してくれています。

 

先日、あるテレビ番組で、クリスマス・ソングのベストなんとかというものをやっていました。

年代別にアンケート結果が発表されていました。

私は山下達郎さんや松任谷由実さん、頑張ってマライヤ・キャリーさんの有名な曲は知っていましたが、

若い世代の上位に入っている曲は、知らないものが多かったです。

その中で、私の好きな曲が入賞?していました。

桑田佳祐さんの「白い恋人達」という曲です。

この曲を聴くと、同じく好きな芥川龍之介の「ピアノ」という短編小説を思い出します。

このような書き出しで始まる小説です。

(青空文庫をもとに、旧字体や旧仮名遣いを私が現代仮名遣い等に直しています。「震災」とあるのは、関東大震災です。)

 

*****

  ピアノ     芥川龍之介

 ある雨のふる秋の日、わたしはある人を訪ねるために横浜の山手を歩いて行った。この辺の荒廃は震災当時とほとんど変っていなかった。もし少しでも変っているとすれば、それは一面にスレートの屋根やレンガの壁の落ち重なった中にアカザの伸びているだけだった。

 (参考:スレートの屋根)

(参考:アカザ)

*****

 

いいですね。

芥川を好きな人だったら、たまらないような芥川ワールドです。

この横浜の荒んだ街角は、きっと主人公イコール芥川の人生の何かを表していますね。

そして、物語はこう続きます。

 

*****

現にある家の崩れた跡にはフタをあけた弓なりのピアノさえ、半ば壁にひしがれたまま、つややかに鍵盤を濡らしていた。のみならず大小さまざまの譜本もかすかに色づいたアカザの中に桃色、水色、薄黄色などの横文字の表紙を濡らしていた。

*****

 

お分かりですね。

この家の崩れた跡に置き去りにされたピアノは、主人公イコール芥川自身かもしれませんね。

きっとアカザも何かを表していますね。

アカザの枝は強く、杖の材料にもなるそうですので、おそらく「  」を暗示しているのでしょう。

(「 」の中はご想像ください)

そして、途中は略しますが、この後の場面では、ピアノがこう描かれています。

 

*****

 すると突然聞えたのは誰かのピアノを打った音だった。いや、「打った」と言うよりもむしろ触った音だった。わたしは思わず足をゆるめ、荒涼としたあたりを眺めまわした。ピアノはちょうど月の光に細長い鍵盤をほのめかせていた、あのアカザの中にあるピアノは。――しかし人かげはどこにもなかつた。

*****

 

この不思議なピアノの音を巡って、さらにストーリーは続きます。

興味がある方は、読んでみてください。

こちらの「青空文庫」からお読みいただけます。

 

なぜこの芥川龍之介の短編小説と桑田佳祐さんの曲が重なるかというと、このMVがあるからです。

「ピアノ」を最後まで読んでいただき、このMVをご覧いただくと、

私の言っている意味がお分かりいただけるかと思います。

 

クリスマスを前に、この動画をもう一度見直したところです。

生徒の皆さんも今年の冬休みは少し外出を控えて、

静かに音楽を聴いたり、本を読んだりしてみてはどうでしょう。

Born This Way

恐れ入りますが、

今日も「サワコの朝」の塩沼亮潤さんの話の関連です。

 

この番組では、ゲストの方に「思い出の中で今でも輝いている曲」「今、心に響く曲」を、

その曲にまつわるエピソードや思いと共に聞かれます。

 

以前、元陸上選手で世界陸上400mハードル銅メダリストの為末大さんが出演されたときは、

海外で一人で試合を転戦されている時によく聴いていたという、

グロリア・ゲイナーの「I WILL SURVIVE」

について語っておられました。

「I WILL SURVIVE」とは、「私は生き残る」という意味でしょうね。

以前お話しした、私の好きな映画「オデッセイ」のエンディング・ロールでも流れていましたので、印象に残っています。

また、今年のコロナ禍の中で、「手洗い歌」としてTikTok上でも人気を集めたそうです。

(Gloria Gaynor #WashYourHands #IWillSurviveChallenge on TikTok)

 

ところで、塩沼さんはどんな曲を選ばれたかというと、

なんと、レディー・ガガの「Born This Way」でした。

私は、塩沼さんとレディー・ガガが全然イメージが結びつかず、びっくりしました。

曲調やCDジャケットなども過激な感じがするからです。

しかし、この曲の歌詞は人種や宗教や志向などを超えて、

「私はこうして生まれてきた」と自信をもって宣言するような、

とても力強い(そして難解な)歌詞のよぅです。

 

以前、英語の先生がカラオケで挑戦されたことがありましたが、

とても単語が多く早口で、歌うのが難しいとおっしゃっていました。

次の「サビ」の4行だけでも私は無理ですね。

*****

Don’t hide yourself in regret

Just love yourself, and you’re set

I’m on the right track, baby

I was born this way (Born this way)

 

くよくよして自分の殻に籠らないで

あなた自身を愛せばいい、それでいい

これが私の正しい生き方よ、ベイビー

私はこんな風に生まれてきた(こんな風に)

<歌詞和訳>Born This Way – Lady Gaga

 *****

 

曲想は大きく異なりますが、MICAさんの「100点満点」にも相通じるような歌詞です。

 

厳しい修行を経てこられた、塩沼さんの人間観から、共鳴されるところがあるのでしょう。

「あるがままに生きるという歌詞に共感する」

「できることなら一度本人に会いたい」とおっしゃっていました。

先ほどの和訳のサイトとは訳が少し違いますが、

曲と歌詞(和訳)を一緒に聴いてみたい方は、一度お聴きになってはどうでしょう。

「おくらず迎えず応じて蔵ぜず」

昨日は、「サワコの朝」でお聞きした、慈眼寺の塩沼亮潤 大阿闍梨さんのお話を 紹介しました。

関心を持ったので、塩沼さんのされたお話を少し調べてみました。

 

次の記事がとても勉強になりましたので、少し引用させていただきます。

千日回峰行・大阿闍梨「コロナの現実を受け止め、最善を尽くそう」
日経ビジネス 2020年5月8日


 *****

奈良の吉野山にある金峯山寺に入山して修行に入りました。

そして20歳のとき、師匠は私に「おくらず迎えず応じて蔵ぜず」という荘子の言葉をプレゼントしてくれた。

おくらずとは、過ぎ去ったことをくよくよしてはいけないこと。

迎えずとは、これから来る未来をいろいろ思い悩まないこと。

応じてとは、その時その時に応じること。

蔵ぜず、とは心にしまい置かない、心にとどめ置かないことです。

 

不将不迎 応而不蔵 | presence of mind | 田川悟郎 書道作品

不将不逆 応而不蔵(https://sho.goroh.net/2019-2037/ より)

 
23歳で千日回峰行に入り、毎日大自然の中、命がけで48kmの山道を歩きました。

1000日間はやはり過酷な日々でした。

この行をいかに達成させるかを考えると、先を読んで準備をして、より安全に行を全うしなければなりません。

大峯千日回峰行 塩沼亮潤HPより


私はそのために、想定される道具38種類を選んでカバンにつめていました。

誰かに教わったわけではありません。

経験の中で、「これが必要だ」と思ったものばかりでした。

例えば消毒薬はケガをしなければムダになるかもしれないが、重くてもカバンに入れておく。

いざというときに使えば、安全に行を遂行できます。


カバンの話から何が言いたいかと言えば、

それは私たちが生きていくうえで、いろいろな選択肢を持っていないといけない、ということです。

選択肢があるからこそ、必要な時に必要な選択ができる。

これはつまり、師匠からプレゼントされた言葉で言えば、3番目の応じて、にあたります。

もっと言うと「備えあれば憂いなし」という言葉がありますが、それと一緒です。

その時その時に応じて対応して、自分が準備している選択肢の中からふさわしいものを選び、しかもそれを要所ごとに切り替えていかないといけない。

今であれば新型コロナに直面している現実を受け止めながら、今できる最善を尽くすべきです。

*****

 

「臨機応変」などと言う言葉を簡単に使うことがありますが、

「応じて」という言葉一つでも考えさせられます。

また、「リーダー」ということに関して、次のようにも言われています。

 

*****
もう1つ、付け加えるならば、リーダーたちは暗くならないことです。

「自分の在職期間はことなかれで、終わればいい」と思っていた人もいたかもしれない。

しかし、もう時代は変わりました。

問題の先送り、前例の踏襲で生きていける時代から、

即断即決、全責任は自分、という時代になりました。

だからこそ、暗くならずに取り組んでほしい。

*****

 

塩沼さんの言葉から、元気をいただくことができました。

大阿闍梨、塩沼亮潤さんを訪ねて | 今日のアトリエ by ファクトリエ

「サワコの朝」の塩沼亮潤さんの話

休日もいつものように5時25分頃には目が覚めてしまいます。

ゆっくりコーヒー(といっても500miのBOSS)を飲みながら、

昨日の将棋棋王戦挑戦者決定二番勝負「広瀬八段対糸谷八段」の復習などをしていました。

テレビを付けていたら、「サワコの朝」が流れてきました。

 

今日のゲストは、僧侶の塩沼亮潤さんという方ですが、私は不勉強であまり存じ上げませんでした。

しかし、この方の紹介を聞いてびっくり。

*****

1日48km、高低差1300m以上の険しい山道を往復16時間かけて歩くこと、年間120日。

それを9年の歳月をかけて1000日間歩み続けるという、日本一過酷な修行『大峯千日回峰行』を23歳の時に満行。

サワコの朝』12/19(土) 塩沼亮潤が登場!! 1300年で2人!? 命がけの苦行とは…【TBS】 - YouTube

1300年の歴史の中で、未だ2人しか成し遂げた者がいないというこの荒行ですが、

塩沼さんはさらにその翌年、“飲まず、食わず、眠らず、横にならず”を9日間耐え続ける『四無行』をも達成しました。

「サワコの朝」(2020年12月19日 塩沼亮潤)より

*****

『四無行』の様子(塩沼亮潤さんのHPより)

この行にいったん入れば、達成できない場合には、自ら命を絶たなければならないという過酷な掟があるということです。(!!)

 

番組では、僧侶を志したきっかけや、過酷な修行を通して得たもの、

慈眼寺(仙台市)を建立されるまでのお話など、中身の濃いお話をされていました。

中でも、修行を通して身につけたことは?という阿川佐和子さんの質問に、答えられました。

少しニュアンスは違うかもしれませんが、概略は次のようなことです。

 

KBS歌謡祭とサワコの朝を視聴して&I love you LIVE TOUR 2014 TREE | 東方神起の夢の続き、行きマッショ ❣  byカンレキチカク

「毎日の生活の中で、いらっとしたりすることもありますね。

それをなぜ、どうしてと考えていくと、

他人のせいにすること、他人を責めることになってしまいませんか。

しかし、その理由をどう考えても解決はしません。

そればかりか、そのような気持ちでいると、

自分の人生がどんどんよくない方向に進んでしまいます。

そこで、自分の心がよくない方向に少し振れてしまっても、

すぐそれを前向きな方に意志で戻すようにしている。

私は、自分に与えられたところで、

前向きに精一杯努めることが大切だと思います。

一瞬、マイナスに振れたその心の針を、

ちょっと元に戻すことが身に付いたように思います」

 

常識を越えた修行のせいで、脳の一部が壊死しているなど、

驚くような話もありました。

また、コロナ禍の中では、とにかく笑うことを推奨されていました。

塩沼さん自身も、終始笑顔で穏やかに、親しみやすい言葉でお話しされていました。

 

私などは修行というものはできませんが、

心の中の針をちょっと戻して、ニコッとすることはやってみようと思いました。

「一万円選書」とは

昨日のこの欄では、

「自分で本を選ぶこと」について触れました。

今日は「知らない本屋さんに選んでもらう」

逆に言うと「見ず知らずの人のために本を選んであげる」という話です。

 

会ったこともない人から、「お金を預けるので、私のために一万円分の本を買ってきて」

と頼まれたら、どうしますか。

「自分が今何を読みたいのか」

または「今、自分に必要な本はどれか」

そんなことさえ考えるのは難しいですね。

それなのに、他人の、それも会ったこともない人のために一万円分本を選ぶサービスが

人気があるそうです。

 

「一万円選書」というそのサービスを始めたのは、

北海道・砂川にある小さな町のいわた書店です。

 

私はその小さな個人経営の書店のことを、一昨年春の

NHK「プロフェッショナル」で知りました。

いまや全国からの応募者が3000人待ちという人気ぶりだそうです。

その書店のご主人は、どうやって本を選んでいるのでしょうか。

会ったことのない人でも、

「カルテ」と呼ばれるアンケートのようなものを記入して送っていただけると、

それを元に本を選ぶそうです。

世間で話題になっている新刊やベストセラーと呼ばれる売れ筋の本などではなく、

その人に合った本を選ぶには、相当な本に関する知識が必要でしょう。

テレビではたしか、「(自分が)読んだことのない本は選ばない」と言われていたと思います。

そのいわた書店が応募者に書いてもらっている「カルテ」が紹介されていました。

実物は、A4用紙3枚だそうです。 

参考・引用 書店が客好みを選ぶ"1万円選書"人気爆発 質問回答を踏まえ1万円分を厳選 PRESIDENT 2019年6月3日号  より

質問を見てみると

「これまでに読まれた本で印象に残っている本ベスト20をお教え下さい」

これは、既読の本や今までの読書傾向を知るために必要な気がします。

しかし、

「これまでの人生で嬉しかったこと苦しかったこと等を書き出してみてください」

難しくなってきます。さらに

「何歳の時の自分が好きですか」

ううむ、考えてしまいます。

「これだけはしないと心に決めている事はありますか」

ちょっと薄っぺらな私の生活ぶりがバレてしまいそうで、何と書こうか悩みます。

実際、前掲のネット記事によると、応募者の方からは次のような反響もあるそうです。

*****

実は、お客様にはこれがかなりの難行。

「1週間かかった」「10回以上書き直した」という方もいれば、

「これまでの人生で苦しかったことを書き出してみてください」という質問で涙が出て、

作業が進まなくなった方も。

*****

 

店長の岩田さんの話です。

*****

実は、僕が選んだ本を読む以前に、

この「カルテ」に回答するプロセスを通じて自分をさらけ出すことで、

「これはしたくない」「本当はこんなことをしたい」

といった本人にとっての“答え”がほぼ出てきているのです。

僕は「カルテ」を読み込むことで、その人にとっての“答え”を見出し、

それを肯定してくれそうな本を選ぶわけです。

*****

 北海道の書店店主が個別に対応 「1万円選書」に注文殺到|NEWSポストセブン

(店で本を選ぶ岩田さん)

 

なるほど、そういった視点で本を選んだことはないですね。

これだけでも、AIによる「マイクロターゲティング」とは、ずいぶん違います。

 

そこまで自分と向き合った末に選んでもらい、届けられる本。

テレビでは、

「自分では一生かかっても選ばないだろうなと思うような本も送られてきました。

しかし、それを読んでみて、本当によかった」

というお客さんのコメントや多くの感謝の手紙もありました。

 

本を選ぶことをとおして、そこまで自分と向き合う。

そういう経験とはどんなものでしょう。

私も経験してみたいと思います。


一万円選書とは いわた書店(有)

 

ただのターゲットにはなりません

「“マイクロターゲティング”を知ってますか?」

という記事を読みました。

「マイクロターゲティング」という言葉が

「ザ・グッドファイト」という米国ドラマで登場したからです。

あまり聞いたことのない言葉でしたが、案外以前から使われている言葉のようです。

記事から引用すると

「インターネットで、ある商品を検索したら、その後、同じ商品や関連商品がネット広告として表示されるようになった、

そんな経験はありませんか?」

 

ありますね。

Googleで検索したり、Amazonで購入したりすると、関連した商品の広告などが、頻繁に出てきます。

とても頻繁に経験するので、もうそれが当たり前になってきていて、

「便利だな」「手間が省ける」と感じることもあります。

記事はこう続きます。

 

*****

これは、私たちがネット上で示した興味や関心がデータとして収集され、

マーケティングに利用されているためです。

こうした手法は「マイクロターゲティング」と呼ばれます。

不特定多数に向けた広告よりも狙った消費者に届くと、活用が広がっています。

*****

 

インターネット、AIなどの技術を駆使しているのでしょう。

調べると、この作戦は、米国などでは早くから

大統領選挙などの政治での利用が進んでいるそうです。

ちなみに「ザ・グッドファイト」では、

マイクロターゲティングの技術が陪審員や判事の心理を誘導するために利用され、

自分たちに有利に働くような、フェイクニュースを流すというものでした。

 

 さて、先日、タレントの伊集院光さんがラジオ番組に出ておられて、

「自分は近頃本を読んでいない」という話をしていました。

実際に読んでいないわけではないのですが、

ネット上で次から次に推奨される本を、言われるままに手に取って読んでも、

「本当の意味で、自分で本を読んだ」ことにならないと言うのです。

 

そこそこ気に入る、似たような本ばかり読んで、

それまで関心のなかった、新しいジャンルの本を読んでみることがない。

「本屋で立ち読みをして、面白そうと思って買ってみたけど、ハズレだった」

というような経験もしていかないと、

自分で「本を読む」ことにならないと言うのです。

 

たしかに、Amazonの

「よく一緒に購入されている商品」「こちらもおすすめ」

に素直に従っていると、

情報に導かれるままに「本イコール商品」を買わされる(読まされる)連鎖に

乗っかっているだけなのかもしれません。

「自分で考えた生活」「自分で考えた読書」ができているかなと反省しました。

 

もうすぐ冬休みですが、外出もままならず、家にいる時間も多くなりそうです。

マイクロターゲティングの、ただのターゲットとしてでなく、

自分が手にとって選んだ本を読んでみるのもいいと思いました。

 

熊本光の森店 | 紀伊國屋書店 - 本の「今」に会いに行こう

WHO発表「サンタは世界中を移動してよい」

我が家にも以前は毎年、サンタクロースが来訪してくれていました。

玄関に置いておいたオレンジジュースを飲んでいってくれたり、

子どもたちの書いた手紙を読んで、返事を書いていってくれたりしました。

サンタさんの返事は、あぶりだしになっていて、

X'masプレゼントの置き場所がローマ字(日本語ですが)で書いてありました。

玄関先には、雨も降ってないのに、サンタさんの大きな濡れた足跡がありました。

きっと雪国からこちらへ回ってこられたから、靴が濡れていたに違いありません。

 

きっとサンタさんが一番苦労したのは、白いうさぎちゃんを届けてくれたときでしょう。

手紙に「朝になったら◯◯ペットショップの☆☆さんをたずねてください」

と(あぶりだしのローマ字で)書かれていて、

開店するのを待って◯◯ペットショップを親子で訪ねると、

店員の☆☆さんが出てこられました。

サンタさんの手紙をお見せすると、

「はい、昨日、白いおひげの男性がお見えになって、このうさぎちゃんをお渡しするように承っております」

と笑顔でおっしゃいました。

親子で驚いて、「支払いはしなくていいんですか?」と尋ねると、

「はい、おひげの方から、もういただいていますよ」とおっしゃいました。

娘がとてもびっくりしながら、喜んでいたのを覚えています。

 

さて、先日、WHOから重大な発表がありました。

今年もサンタさんはお忙しいようです。

ちゃんと手洗いをして、おひげが少しじゃまかも知れませんが、マスクもお忘れなく。

以下引用*****

WHO「サンタの移動問題なし」 各国が隔離免除「コロナに免疫」(毎日新聞2020年12月15日)

世界保健機関(WHO)は14日の記者会見で、

サンタクロースは各国の配慮で新型コロナウイルスの隔離措置を免除されており

「プレゼントを配るために世界中を移動することができる」とし、

子供たちに安心するよう呼び掛けた。

新型コロナの技術責任者を務め、自らも2児の母であるバンケルコフ氏は、

WHOがサンタと連絡を取ったところ「とても元気で、大変忙しそうにしていた」と近況を報告。

サンタは「新型コロナへの免疫ができている」としつつも、

対人距離の確保や、保護者の指示を守るようにと子供らにくぎを刺し

「クリスマスイブには早く寝てね」と求めた。

*****

(自宅で子供たちに手紙を書くサンタさん)

写真はいずれもTBS NEWS から

世界保健機関(WHO)は14日の記者会見で、サンタクロースは各国の配慮で新型コロナウイルスの隔離措置を免除されており「プレゼントを配るために世界中を移動することができる」とし、子供たちに安心するよう呼び掛けた。

 新型コロナの技術責任者を務め、自らも2児の母であるバンケルコフ氏は、WHOがサンタと連絡を取ったところ「とても元気で、大変忙しそうにしていた」と近況を報告。サンタは「新型コロナへの免疫ができている」としつつも、対人距離の確保や、保護者の指示を守るようにと子供らにくぎを刺し「クリスマスイブには早く寝てね」と求めた。(共同)

世界保健機関(WHO)は14日の記者会見で、サンタクロースは各国の配慮で新型コロナウイルスの隔離措置を免除されており「プレゼントを配るために世界中を移動することができる」とし、子供たちに安心するよう呼び掛けた。

 新型コロナの技術責任者を務め、自らも2児の母であるバンケルコフ氏は、WHOがサンタと連絡を取ったところ「とても元気で、大変忙しそうにしていた」と近況を報告。サンタは「新型コロナへの免疫ができている」としつつも、対人距離の確保や、保護者の指示を守るようにと子供らにくぎを刺し「クリスマスイブには早く寝てね」と求めた。(共同)

世界保健機関(WHO)は14日の記者会見で、サンタクロースは各国の配慮で新型コロナウイルスの隔離措置を免除されており「プレゼントを配るために世界中を移動することができる」とし、子供たちに安心するよう呼び掛けた。

 新型コロナの技術責任者を務め、自らも2児の母であるバンケルコフ氏は、WHOがサンタと連絡を取ったところ「とても元気で、大変忙しそうにしていた」と近況を報告。サンタは「新型コロナへの免疫ができている」としつつも、対人距離の確保や、保護者の指示を守るようにと子供らにくぎを刺し「クリスマスイブには早く寝てね」と求めた。(共同)

今年の漢字、来年の漢字

先日、年末恒例の「今年の漢字」が発表されました。

(以下、朝日新聞デジタルから引用)

*****

2020年を表す漢字は「密」――。

日本漢字能力検定協会(京都市東山区)は14日、全国から募った「今年の漢字」を清水寺(同)の舞台で発表した。

森清範貫主(せいはんかんす)が縦1・5メートル、横1・3メートルの和紙に、大きな筆を使って書き上げた。

20万8025票の応募のうち、「密」は最多の2万8401票だった。

同協会によると、選んだ理由で多かったのは、新型コロナウイルス感染症の世界的流行や、大切な人との関係が密接になったこと、政界や芸能界で秘密が多かったことなどという。

森貫主は「密には、親しむという意味が含まれている。物理的には離れているが、心はしっかりしたつながりを持っていきたい」と話した。

2位は「禍」(1万3655票)、3位は「病」(1万369票)だった。

*****

 

私の予想では、今年の漢字は「禍」ではないかなと思っていたのですが、

森さんのおっしゃるように「親しむ」という意味も含まれているなら、

「密」がふさわしくてよかったなと思います。

 

改めて、近年の「今年の漢字」とその主な選定理由を見てみると、次のようになっていました。

令和元年 「令」新元号令和

平成30年 「災」西日本豪雨などの災害

平成29年 「北」北朝鮮のミサイル発射

平成28年 「金」リオ五輪の金メダル

平成27年 「安」安倍内閣の安保関連法案

その年その年の世相や大事件を表しているようです。

なお、阪神・淡路大震災の平成17年はこの「今年の漢字」が始まった年ですが、「震」が選ばれていました。

一方、東日本大震災の平成23年は「絆」です。

続く天災に負けないように、という人々の思いが漢字にも込められているように思います。

 

そこで、1年を振り返って「今年の漢字」を選ぶだけでなく、

来年、これからの1年をこんな年にしたいという、

「来年の漢字」を考えてみてはどうでしょう。

皆さんならどの漢字にされますか。

どんな意味の1年を期待されますか。

 

私は差し詰め、

全快、快晴の「快」

健康の「健」

災い転じて福となすの「福」などは

どうかなと思います。いかがでしょう。

世界を救う小さな手(日本赤十字社)

昨日、このような報道が飛び込んできました。

「熊本県は14日、県内の新型コロナウイルス感染リスクレベル(6段階)について、

最上位のレベル5(厳戒警報)に1段階引き上げると発表した」(熊本日日新聞)

 

全国的に、新型コロナウィルスの感染拡大は、厳しい状況にあるようです。

 

しかし、私たちは自分にできる感染対策を今までどおり

丁寧に行っていきましょう。

 

体温の検温

手洗い・消毒

マスクの着用

密を避ける

などです。

自分を守るため、みんなを守るため、大切な人を守るために。

 

このことに関連して、日本赤十字社の動画が公開されています。

一度ご覧になってみてください。

 

【日本赤十字社】Little Heroes 世界を救う小さな手

手洗い続けていますか。

これは新型コロナウィルス感染症と闘い

世界を救い続ける小さなヒーローたちと

それを支援する赤十字の話です。

また、1学期に紹介したこの動画も、見返してみてください。

【日本赤十字社】「ウイルスの次にやってくるもの」

人から人へと広まっていく、もしかしたら、ウイルスよりも恐ろしいものとは?
そして、わたしたちができることとは?
新型コロナウイルス感染症から、体だけではなく、心を守り、社会を守るための、 心構えを伝える絵本アニメーションです。
監修:日本赤十字社災害医療統括監 丸山嘉一、諏訪赤十字病院 臨床心理課長 森光玲雄
 
 
日本赤十字社の新型コロナウイルス感染症に対するそのほかの活動はこちらをぜひご覧ください。

ふるさとの木の葉の駅

ふるさとの木の葉の駅

          坂村真民

この駅で

いつも母が待っていてくれた


駅には赤いカンナの花が咲き、

車窓にはそれが近々と迫ってきた


母のいないさびしい駅を

わたしは 息をのんで過ぎていった

 

坂村真民さんのこの詩を教材として、

ときどき授業をしました。

授業するに当たっては、向山洋一さんの小学校での実践を参考にしました。

 

JR木葉駅は、玉東町に実在する駅ですが、

先日、このようなニュースがありました。

 

木葉駅包む優しい音色 玉東町、ピアノ設置「自由に弾いて」

2020/12/6 16:00 熊本日日新聞

(点灯されたクリスマスツリーのイルミネーション(左奥)を背に、思い思いに「駅ピアノ」を弾く来場者=玉東町)

 熊本県玉東町のJR木葉駅に4日、誰でも弾くことができる「駅ピアノ」が設置された。同日夜、イルミネーションが始まった駅前広場でお披露目コンサートがあり、町民らが優しい音色に酔いしれた。

 

最近、同じように各地の駅に置かれたピアノを上手に弾く人がいて、

通りがかった人たちが足を止め、思わず聴き入るという

ほほえましい動画などが紹介されています。

 (その一例)

 

木葉駅のピアノも多くの人の心を癒すものになるといいですね。

 

冒頭の詩で描かれた木葉駅は、

ずいぶん以前の駅が舞台ですが、

私の大好きな詩です。

その授業での

「勝負発問」は、

……「わたしは 息をのんで過ぎていった」の

「わたしは」の次は、なぜ一字分空いているのか

です。

どうしてだと思われますか。 

ドアノブが話しかけてくれる(アフォーダンス理論)

以前紹介した、武田鉄矢さんのポッドキャストで話題になっていた話です。

【参考・引用】

「チコちゃんに叱られる!なんで子どもは縁石の上を歩きたがるの?」2020年8月21日金

「チコちゃんに叱られる!なんでボタンを見ると押すものだと思うの?」2019年9月20日金

 

NHK「チコちゃんに叱られる!」の「なんで子どもは縁石の上を歩きたがるの?」 という話題です。

そういうと、役目にする光景ですね。

どなたも小さい頃に身に覚えがあるのでは?

下の写真は、東小のお友だちが、スクールバス降り場から、歩いて登校しているところです。

線のところを歩いていますね。

 

 

さて、「ぼーっとは生きていない」チコちゃんが

この質問の答えの一つとして挙げていたのが

「アフォーダンス理論」というもので、

昨年の「なんでボタンを見ると押すものだと思うの?」

でも一度取り上げられています。

チコちゃんの答えは、端的に言うと

「縁石が歩いてごらんと誘っているから」
「ボタンは押せと誘っているから」

というものです。

なんでボタンを見ると押すものだと思うの?→ボタンは押せと誘っているから。アフォーダンス理論で無意識に動く。 | チコちゃんに叱られる!

???

つまり、

ボタンは、いかにも押してほしいといわんばかりのその形状で、

われわれに誘いかけている、というのです。

他にも、「ティッシュはつまんで取る」

そう思って見ると、ティッシュは、いかにも

「これをつまんで、引っ張って取って」と語りかけていますね。 


「ドアノブは握って開ける」

 また、ドアノブは、その形によって、開け方が違うのだということも教えてくれています。 

 われわれは、ドアノブを見て、自然と持ち方を変えて握っていませんか。

興味を持った私は、いくつかのドアノブを、アフォーダンス理論の眼で調べてみました。

校長室のドアノブは先ほども出てきた、昭和からの握って回す代表的なタイプ。

保健室のドアは、昭和の引き戸タイプ。

指先にちょっと力がいることがあります。

同じ引き戸でも、平成のユニバーサルデザイン的なドアは、

こんな取っ手ですね(家庭科室前→体育館への出入り口のドア)

これは、先日訪れたある飲食店のドアですが、

取っ手を見ただけでは迷う人(左に引くのか、手前に引くのか)がいるのでしょうか

←がわざわざ示してあります。

 職員トイレのドアはこういう取っ手がついています。

「握って下へ押し下げてください」と取っ手が話しかけています。

ネットで見つけたドアノブ。これは向こうへ押したくなるドアですね。

反対側。これは手前に引きたくなります。

さて、私が身近に発見したアフォーダンスです。

私が自宅で使っている、消毒液のスプレー容器です。

押す部分に少し傾斜がついているので、スプレーするための指の置き方がわかりやすいです。

「この向きに指を置いてね」と教えてくれます。

USBメモリスティックをパソコンに差すときに、いつも間違ってしまう私にとっては、

ありがたい「アフォーダンス理論」の配慮です。

 

「アフォーダンス理論」の眼で見てみると、いろいろ気づくことがありました。

ユニバーサルデザインも同様ですが、

ちょっとした知恵や配慮のおかげで、ちょっと生活しやすく感じられます。

ティントロティントロティロリロ

古い話ですが、ジョージ・ウィンストンというピアニストのある曲を、

国語の授業で教材にしたことがあります。

プロフィール | ジョージ・ウィンストン | ソニーミュージックオフィシャルサイト

教師1年目で担当した中学3年生のクラスでの、

卒業前の最後の授業でした。

公立高校の入試直前の授業で、

生徒たちはちょっと拍子抜けしたかもしれません。

曲名を伏せて生徒たちに聴いてもらった後、

「この曲にタイトルをつけなさい。

そう考えた理由も書くこと」

という課題を示しました。

生徒から「もう1回聴かせてください」

とリクエストがあったので、

もう1回ラジカセ(!)をかけました。

生徒たちは結構集中して考えてくれました。

 

みんなの考えたタイトルに共通していたのは、

「失恋」とか、「哀しみ」とか、「思い出」

ということでした。

「思うようにいかなくて、もどかしい感じがする」

「一人ぼっちになって寂しい気持ちになる」

とかを理由に挙げていたと記憶しています。

「落ち葉が散っている景色が見える」という感想もあって、

これは想像力豊かな、なかなかのものです。

 

本当のタイトルは、

Longing/Love

直訳すると「憧れ/愛」 です。

 

以前、TVCMやニュースの中の天気予報のBGMでかかっていたりしました。

「ティントロティントロティロリロ」というサビ(?)のところは

聞き覚えのある方もいらっしゃるかもしれません。

 

アルバムのタイトルは、

autumn つまり「秋」ですが、

今ぐらいの季節になると聴きたくなります。

 Amazon | オータム | ジョージ・ウィンストン, ジョージ・ウィンストン | イージーリスニング | 音楽

 

アントニオ猪木対ビル・ロビンソン戦(1975/12/11)に学ぶ

アントニオ猪木選手はプロレスラー人生の中で、数多くの試合をされたと思いますが、

私はそのうちの3つの試合から、多くを学びました。

今回はその3試合、1975年12月11日の対ビル・ロビンソン戦です。

この試合は、60分三本勝負で行われましたが、結果は引き分けです。

一本目はロビンソン選手が逆さ押さえ込みで先取し、

二本目を猪木選手が卍固めで取り返して、

三本目は時間切れドローとなりました。

こう書くと、どこにでもある試合のようでもありますが、

私は猪木選手の生涯におけるベストバウトだと思っているのです。

試合は、二人の技と技の応酬で進みますが、どちらも決め手を与えない、消耗戦となります。

ロビンソン選手のレスリングは、とてもクレバーで試合の盛り上がりとか、お互いの見せ場をつくるといった意思は全く見られず、

猪木選手の技を読んで先回りして完封していくような展開です。

それに対して、猪木選手はいわばロビンソン選手の土俵の上でも自分のスタイルを崩さず、攻め込んでいきます。

頭のいいプロレスと意地のプロレスの闘いのように見えます。

試合経過40分過ぎに、一瞬の隙をついてロビンソン選手が一本目を取り、

残り十数分、猪木選手はなんとか一本返そうと追い詰めますが、

ロビンソン選手は手強く、とうとう時間稼ぎさえし始めます。

やがて蔵前国技館全体がじりじりして、

ヒートアップしていく中、「残り5分」のアナウンスが会場に流れます。

 

あと一歩決めきれない猪木選手に焦りが見えた時、

ロビンソン選手がまだこんなにスタミナがあったのかというように、

得意のダブルアーム・スープレックスで猪木選手を投げ捨てます。

あらー、反撃もここまでかと思いますが、猪木選手はなんとか返します。

 

守勢に立ってしまい、もう時間がないとなった時に、

今度は猪木選手が一瞬の隙をついて、

卍固めをかけるのです。

最も猪木らしい技で、耐え続けたロビンソン選手も残り1分を切ったところで、ギブアップします。

試合自体はこの後、1分足らずの三本目も行われ、時間切れで決着はつかないまま、終わるのですが、

私にとってその最後の結果はあまり関係ありません。

 

試合当時、中学3年生だった私はこの二本目、

賢いプロレスに翻弄されながら、

最後まで諦めず、

自分の持ち技で向かっていく

猪木選手の意地に心を打たれました。

少々大げさですが、「誠実さ」とか「真摯さ」を感じるぐらいです。

猪木選手とロビンソン選手が闘ったのは、生涯この1試合だけでした。 

私がこの試合から学んだものは、

最後まで諦めずに、なんとかしようと闘う

意地だったのです。

私の教職生活もタイムアップまで、意地をご覧いただきたいと思います。

 

 これが中学生時代の私の愛読書です。今でも持っています。

昔話法廷 被告人は末っ子のこぶた

もう20年ほど前になりますが、

国語の授業で音声言語、すなわち「話す・聞く」授業がとても盛んに研究された時期がありました。

特に、欧米から輸入されたのであろう「ディベート」が、

賛成・反対などに分かれて論戦を行う、一種のゲームみたいなもので、とても新鮮でした。

それまでの日本の国語教室にはあまり登場しなかった活動だったからだと思います。

また、論理的な思考力や

相手の主張の論旨を聞き取って取って返す発言力などを育てる

という点でも注目されていました。

私もいろいろな実践に取り組みましたし、

ディベートのオーソリティである、花田修一先生をお茶の水大学附属中学校にお訪ねして、

厚かましく授業を参観させていただき、ご指導をいただいたのも、懐かしい思い出です。

 

そういったわけで、というのではありませんが、

法廷物、弁護士物のドラマや映画が好きで、よく見るようになりました。

最近では、アメリカのTVドラマの

「ブル」(これは、陪審員の心理を操作する法廷での駆け引きという、高度な法廷物)、

BULL/ブル 心を操る天才 - ドラマ情報・レビュー・評価(ネタバレなし) | Filmarksドラマ

「グッド・ファイト」(これは、SNSを使った犯罪など極めて現代的な裁判とクセの強い弁護士たちの群像劇)

グッド・ファイト 華麗なる逆転』シーズン1 あらすじ&エピソードガイド 大胆なストーリー展開は中毒に | 海外ドラマboard

などがお勧めでしょうか。

 

さて、そんな私が最近見ているのが

NHK for school の「昔話法廷」です。

子ども向けの番組で、

文字通り、昔話の登場人物が法廷で罪に問われるという法廷ドラマです。

例えば、「三匹のこぶた」裁判では、

こぶたがオオカミを煮えたぎった鍋に落として殺害したのは、

正当防衛か、計画的殺人かが争われます。

そして、判決は出ないまま終わります。

番組のキャッチコピーは

「判決の出ない異色法廷ドラマで、“ 考える力”を養う!」です。

 

大真面目な証言や反対尋問、「異議あり!」に少し笑いながらも、

ちょっと待てよと、考えさせられるようなミニ・ドラマです。

私のおすすめは「アリとキリギリス」裁判です。
ー被告人はアリ。

冬になり食べるものがなくなって、食糧を分けほしいと頼んできたキリギリスを見殺しにした。

アリは、保護責任者遺棄致死罪で有罪か?それとも無罪か?

(番組HPから)

私はこの件については、「カルネアデスの舟板」のルールが適用されるのではと思いますが、どうでしょう?

 

15分のドラマで、ホームページから誰でも視聴できます。

頭のリフレッシュに、一度、ご覧になってみてはいかがでしょう。

成果=知識X技能X考え方X意欲

先日の研修会で、

「熊本県教育庁 令和2年度(2020年度)小中学校評価者研修会」

(講師 産業能率大学総合研究所 北山勝英 氏)

について、五和中学校の大塚校長先生から復講がありました。

PDCAサイクル - Wikipedia 

 

資料をもとに、とても勉強になる内容でしたが、

特に以下の部分に目を覚まされました。

 

それは、「成果はかけ算である」というものです。

つまり、成果は次の式で求められるということです。

 

成果=知識X技能X考え方X意欲

 

なるほど、成果が出てこないときに、何が原因なのか。

よく分からないことがあるのです。

しかし、成果の一つ一つの要素について考えると、

改善の糸口も見えるのかもしれません。

 

どうしたらいいか知らないのか?(知識)

やろうとしてもできないのか?(技能)

ものの考え方、目指す方向性が間違っているのか?(考え方)

そもそもやる気がない、あきらめているのか?(意欲)

 

そして、さらにこの中で、知識、技能、意欲は0~10であるが、

考え方はマイナスのこともある、というのです。

知識、技能、意欲は0の場合もあるので、せっかく他の要素がよくても、

一つの要素のせいで、成果が0、つまり水の泡にもなります。

しかし、考え方がマイナスだったら、成果はマイナス、

つまり、頑張って取り組んでも逆効果になるということになります。

 

考え方、とは

ポジティブな考え方、前向きな考え方、信用などですが、

そのマイナスといえば、

ネガティブな考え方、後ろ向きな考え方、不信感などでしょうか。

この考え方、思考のスタイル、もののとらえ方などが

本当に大切なんだなと思った次第です。

大塚校長先生、貴重な復講ありがとうございました。

 

(以前紹介した、ミツルさんの絵の別バージョンです)

人生はかけ算だ | リハステージスタッフより

はやぶさ2 の「行ってきます」と「永遠なれ!」

今ではテレビのリモコンは当たり前の話で、

むしろ「チャンネルを回す」などというと、「?」となりそうです。

私が子どもの頃初めて触れたテレビのリモコンは、

たしか「ズバコン」という商品名でした。

ズバコンをテレビに向けて操作すると、丸いチャンネルがカチャ、カチャと回るというものでした。

すぐ壊れそうな仕組みでしたが、「リモコンってすごいな」と思った覚えがあります。

 

また、同じく子どもの頃のあこがれのおもちゃといえば、

ラジコンカーで、私は買ってもらえませんでしたが、

持っている友達のところに行くと、赤いスポーツカーのラジコンを

順番に少し触らせてもらえて、嬉しかった思い出があります。

 

そんなリモコンやラジコン、最近でいえばドローンなどもありますが、

それらとは比べものにならないほどの遠隔操作なのでしょうか?

詳しいことはよく分からないのですが、

とにかくはやぶさ2はすごい技術の結晶には違いありません。

 

昨日は、小惑星探査機はやぶさ2が6年50億キロの旅を終え、

小惑星「リュウグウ」の砂などが入っているとみられるカプセルを地球に送り届けた

というニュースで持ちきりでした。

深夜のテレビか何かを見て、涙が出たという人もいるようです。

 

はやぶさ2の科学的な業績や、天文学的な意義は至る所で触れられていますので、

私は印象に残った言葉を2つご紹介します。

 

はやぶさ2が見た地球 JAXAが公開「最後に『行ってきます』と手を振り行った」

というニュースでは、はやぶさ2が見たという地球の姿が掲載されていました。

ー小惑星探査機「はやぶさ2」が地球の上空約8万キロから撮影した地球の画像。右上に南極が、上端に南米西岸が写っている=2020年12月6日午前6時半撮影(JAXAなど提供)

 

写真の様子も感慨深いですが、私はこの記事の中のコメントが印象に残りました。


ー会見で津田雄一・プロジェクトマネジャーは「最後に『行ってきます』と日本を見つめて手を振りながら出て行った」としみじみと話した。

 

「最後に『行ってきます』と日本を見つめて手を振りながら出て行った」!

津田さんという方のはやぶさ2への愛情があふれるようなコメントですね。

しかし、「行ってきます」とは。どこへ?

帰ってきたばかりと思っていた私がよく読むと

朝日新聞に説明がありました。

「はやぶさ2本体はカプセルを切り離した後、地球に衝突する軌道から離れ、新たな探査の旅へ出た。

次に目指すのは地球と火星の間を回る直径30メートルほどの小さな小惑星で、

さらに100億キロを飛んで2031年に到着する見通しだ」

これにもびっくり。カプセルを地球に落としていったら、

そのまま100億キロ向こうまでまた旅立ったのですか!

もう私のズバコンやラジコンカーでは想像がつかないことです。

 

また、もう1つ印象に残ったのは、

宇宙ステーションにいる野口聡一さんのツイッターのコメントです。


たった今 はやぶさ2 の勇姿を ISS から目視しましたー 

地球に向けて高度をグングン下げてくる光を約5分見つめてました。

位置情報を指示してくれた JAXA つくば管制センターありがとう。

はやぶさ2 そして はやぶさ よ永遠なれ!

 

50億キロの旅をしてきた探査機を、宇宙ステーションから見る野口さん、

21世紀の宇宙だなぁという感じですね。

「はやぶさ2 そして はやぶさ よ永遠なれ!」というエールも

同じ宇宙でミッションを遂行している気持ちが伝わります。

 

野口さんの乗るISSから撮影した動画もありました。

とてもきれいな一筋の光です。

「はやぶさ2」勇姿を撮影 野口さん搭乗のISSから(2020年12月6日)

 

人類の、日本の科学の力、努力、思いに触れたニュースでした。

 

「絶対押すなよ!」心理的リアクタンス

お笑い芸人が「押すなよ、押すなよ、絶対押すなよ」と言ったら、

押して熱湯に落としたくなりますね。

 

このテレビ番組が終わったら、宿題をしようと思っていたところに

母親から「早く宿題をやりなさい」と言われたら、

その途端に宿題をやる気がなくなったことがありますね。

 

これは、みんなへそ曲がりふだったり、あまのじゃくだっったりするからではなく

「心理的リアクタンス」というものだそうです。

【科学で解明】なぜダチョウ倶楽部は「押すなよ!」と言うのか?

 

以下、世界と日本のUX | BLOG 心理的リアクタンス からの引用です。

*****

自分から進んで宿題をやろうとしていたが、自分の行動を他人に決められたことで

「選択の自由が奪われた」と感じ、反発する態度を取ってしまう「心理的リアクタンス」の例である。

例え、相手の指示と自分の予定していた行動が同一のものでも、

また、例え相手の指示に従うほうがメリットが多くても、心理的リアクタンスは生じる。

反発して宿題しようというやる気を失った例

*****

 

また、「なぜ、そんな行動をするのか」という理由を少し詳しく見てみました。

心理的リアクタンス(やっちゃだめの反動):行動経済学とデザイン22

によると、

「自己効力感=自分のことは自分で決めたい」という本能から来ているそうです。

「他人からダメといわれ続けると、自己効力感を脅かされてストレスとなります。

それに抗うためには意思を示して命令に屈しない態度を示すため、命令と逆の反応が出る」

ということです。

 

本校でも 自己効力感を大切にしたいと考えています。

前述の 世界と日本のUX | BLOG 心理的リアクタンス には、

勉強のやる気を奪わないためには、「勉強しなさい」と命令(指示)するのではなく、

自分のペースで勉強を進めていることを認め「勉強は順調?」などと質問することで、

そのペースについて質問しているだけなので、自由を阻害したと感じさせない、

というヒントもありました。

 

また、「余計な心理的リアクタンスを与えない」ためには、一般的にどういった点に気をつけるといいかというと、

「自由を奪っていると感じさせないこと」が重要。

「選択肢を与え、その中から求めている答えを相手自身に選択させる」とよい、とありました。

 

こういったことは、コーチングなどでもしばしば強調されますし、

生徒指導などでも、「自己決定力」は大切だと言われています。

 

さて、本校でも3年生の路について決定していく「三者相談」が行われました。

3年生全員が自分で「納得した」進路選択をして、

自己効力感を保ちながら進んでいってほしいと思います。

 

これは、本校生徒が東小や久玉保育園で

読み聞かせをしていた楽しい絵本です。

 

NHK「サラメシ」に学ぶ

NHKの「サラメシ」という番組があります。

一般の方の昼食の様子を取材して、

中井貴一さんのナレーションとともにお送りする、といった番組です。

何曜日かの午後7時のニュースの後にやっているのを時々見ていましたが、

日曜の朝にも放送があっていました。

 

この番組、他の人のおいしそうなお昼ご飯を拝見する番組です。

お弁当や社員食堂や行きつけの外食屋さんのメニューなどを見るだけでも、

グルメ番組みたいでおもしろいです。

しかし、それ以上に興味があるのは、

昼食を挟んだ、人それぞれの仕事の内容、仕事っぷりや苦心談、

さらには職場の仲間や雰囲気、支えてくれる家族の方の様子など、

いろいろな見どころがあるのです。

 

今朝も、いろいろなお昼ご飯が出てきました。

その一つが、長野県のバス会社のバスガイドさんたちのお昼ごはんでした。

 

 

この春に高校を卒業して入社した方から、10年目ぐらいの方までが登場しておられました。

バスガイドさんというと、きれいな声で、歌も歌えて、もちろんいざというときは運転手さんをサポートしてバスの誘導などもしなくてはならないと思いますが、

なんといっても観光地の案内が私たちの旅の楽しみです。

そのためには、たくさんの知識が必要と思いますが、

(私が以前利用したバスでは、ガイドさんがCDのスイッチを入れて、案内はCDがしたことがありますが)

バスガイドさんたちの陰でのご苦労を初めて知りました。

 

このバスガイドの皆さんは、市販の一般的なガイドブック等をそのまま使ったり、覚えたりするのではなくて、

全部自分のノートにまとめ直しておられました。

そうすると、自分の頭の中にも整理されて、入りやすいのだというのです。

まるで受験勉強といっしょですね。

 

今年8年目という方のノートが紹介されていましたが、

なんと100冊に上るそうです。

100冊!

それはそうですね。

考えてみれば、長野県内や近辺の案内だけでなく、

他県へのバス旅行もあるでしょうし、東京など遠方へのバスツアーもあるので、

バスで案内する可能性のある場所すべてのノートを準備していったら、

100冊にはなるということですね。

ベテランの(といってもまだ20代半ばですが)先輩たちが勉強してノートを作っている姿を見て、

入社まもない後輩の方は、

「はぁ〜ってなりました。もっと(勉強しなくちゃいけない)かぁって」

と言われてました。

 

そのほかにも、ガイドさんたちにいろいろインビューがされていました。

コロナ禍による自粛で自宅待機になった時は、

「最初はやったーと思いました。好きなだけ寝れるぞって」

と笑顔で言われていました。

 

しかし、すぐにいつから仕事が始まるんだろうと不安になったりしたそうです。

「いつでも旅行に行けるという時代じゃないんだ、と思うようになりました。

この旅行をしたら、次はいつ旅行できるかはわからない。

そう思ったら、この旅行を精いっぱい楽しいものにしたいと思うようになりました」

そう言って、手書きのメッセージカードを作ったり、

個人用に配布する容器にアルコールをつぎ分け、「ありがとう」のシールを貼ったりしておられました。

 

大人数での旅行が難しいならと、バスガイドさんたちで話し合って、

オリジナルの女性一人旅のツアーの企画を社長さんに提案されたりもしておられました。

 

私からみれば若い、学校から社会に出て数年の方々が、一生懸命仕事に取り組んでおられる姿に元気をもらいました。

これまで、キャリア教育の一環で、NHKの「プロジェクトX」や「プロフェッショナル」を

授業で生徒たちに見せてきたことがありましたが、

この「サラメシ」も身近に感じられるキャリア教育の参考になるかなと思いました。

 

入社を機に一人暮らしを始めて、お弁当作りに挑戦しているという方が、

「ちょっと焦げちゃったんです。1回練習して、その時は上手にできたんですけど」と卵焼きを頬張る姿や

「食べるのが遅いので、お弁当箱は小さくしてます。

仕事先で遅くなって『居残り給食』みたいだねなんて言われちゃうので」

という方もいらっしゃり(横の方が「ゆっくりでいいよ」と声をかけていらっしゃいました)

微笑ましい光景でした。

 

私たち本校教員は、毎日牛深給食センターの皆さんが丹精込めて作ってくださる給食を

おいしくいただくことができて、幸せに思います。

写真は、日本列島味の旅「江戸両国のちゃんこ鍋」です。

 

 

サラメシ - NHK

「アンコンシャス・バイアス」について

  外科医と息子

父親と息子が自動車事故に遭ってしまいました。

父親はその場で亡くなってしまい、

重傷を負った息子は救急車で病院に運び込まれました。

息子が手術室に運ばれ、

その病院で一番の腕利きの外科医が呼ばれました。

ところが、その外科医はその少年を見て言いました。

「息子!この少年は私の息子です」

 

この話をお読みになったことがある方も多いかと思います。

 人権教育の研修などでもよく紹介されています。

 

私は初めてこの話を聞いたとき、違和感を感じました。

話がすんなり頭に入ってこなかったのです。

「この外科医は少年の母親だったのです」

という最後の一文を聞いて、なぁんだ、そうかと思いました。

知らないうちに「腕利きの外科医」と聞くと、男性をイメージしていたのに気づきました。

 

こういった知らず知らずの思い込みのことを

「アンコンシャス・バイアス」というのだそうです。

 

今朝、このような記事を見ました。(朝日新聞)

*****

「単身赴任=男」「お茶出し=女」 無意識の偏見

労働組合の中央組織・連合が、職場や日常生活での「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」について組合員など約5万人に尋ねたところ、何らかの形で「思いあたる」人が95%に上った。

性別や働き方などに対する思い込みの根強さが浮き彫りになった。

6~11月にネットで調査した。

「介護しながら働くのは難しいと思う」など20項目から、思い当たるものを幾つでも選んでもらった。

ジェンダー関連で最も多くの人が選んだのは、「『親が単身赴任中』というと父親を想像する」で66・3%。

「体力的にハードな仕事を女性に頼むのはかわいそうだと思う」は51・5%、

「お茶出し、受付対応、事務職、保育士というと女性を思い浮かべる」は39・2%だった。

「子どもが病気になったときは母親が休んだ方が良いと思う」は21・1%が選んだ。

*****

調査の概要はこちらで読めます→5万人を超える回答 アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み、偏見)診断:時事ドットコム

 

私自身も思い当たるところがありました。

些細な言動でも、無意識にバイアスがかかってしまっていることも多いと思ったことです。

先日も、ある生徒に「理科はがっばってるね」などとうっかり声をかけてしまい、

言った後で、理科「は」というのはよくなかったなと思って、言い直したことがありました。

先述の記事は、調査した担当者の方の次のコメントで締めくくられていました。

「これらの項目がアンコンシャス・バイアスだと気づくことで、決めつけや押しつけをせずに、多様性が尊重される社会や職場づくりにつなげていきたい」

まず「気づく」ことが大切だなと思いました。

本校の日常生活でも気をつけていきたいと思います。

 

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(ドクターX ~外科医・大門未知子~ から)

「帳面消し」…方言の楽しみ

以前、県外に研修に行った時のことです。

「熊本から来たでごわす」と言っても、誰も笑ってくれませんでした。

九州以外の人からすれば、熊本弁も鹿児島弁もいっしょなのでしょう。

無料イラスト 西郷さん

 

また、方言の自慢大会で好評だったのは、

「とっとっと」(取っているの)と

「すーすーす」(なんか冷気が入ってきて、若干肌寒い感じがするようだ)

でした。

これは、福岡の人も使っているようです。

ちょっと共通語に訳すのは難しいですね。

 

他県の人に感心されたのは「あとぜき」でした。

閉めることを「せく」という方言(関や堰が語源に関係しているのでしょうか)からきているのでしょうが、

「とてもマナーのやさを感じる、便利な言葉ですね」

と言ってもらいました。

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また、ある広島の中学校を見学にお邪魔したら、ちょうど掃除の時間でした。

本校も黙働掃除に取り組んでいるので、

その中学校の生徒たちの熱心な掃除の取組を興味深く拝見しました。

その時案内していただいた校長先生が、

「いやー、懐かしいですな!」

とおっしゃって、

「何のことですか」とお尋ねしたら、

「いや、失礼。先生が先ほど、生徒たちの掃除の様子をご覧になって、

『隅々まで、はわいてますね』と言われたので、

学生時代、九州に住んでいた頃を思い出しました」

と笑っておっしゃいました。

なるほど、共通語では「はわく」とは言わず、

「掃く・はく」と言うのですね。

これ博多弁? 福岡の人が標準語だと勘違いしがちな方言 12選 | 福岡TOUCH

熊本地震の時も、報道番組などで、

「がまだす」(精を出す)

「でき(け)たしこ」(できることだけでいい)

などの熊本弁がポジティブな意味合いで紹介されていました。

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そんな中で、今日のニュースで、意外な発見をしました。

「帳面消し」(表面的に一応やったように見せること)

が熊本だけの言葉らしいのです。

私は今までそう考えたこともありませんで、共通語だと思っていました。

記事によると、熊日では新聞の見出しにも使われるほど、県民に定着している言葉のようです。

改めて、方言には、方言でしか言い表せない、独特のニュアンスがあるものだと思いました。

 

「帳面消し」って共通語じゃないの? 実は方言 熊本県民に”衝撃”

ロードレース大会と雑節の豚汁の思い出

昨日の校内ロードレース大会は、穏やかな天候やPTA、地域の皆さんのご協力によって、

生徒たちも思い切り走ることができ、素晴らしい大会とすることができました。

皆さん、応援ありがとうございました。

 

さて、久玉ふれあいセンターで生徒たちのゴールを出迎えていると、

牛深図書館の坂田館長さんが応援にいらっしゃってくださいました。

「地域の方がたくさん沿道で応援していますね。

あかね苑では、入所者の皆さんがそろって応援されていましたよ」

と教えていただけました。

また、

「今年は、中学生の頑張る姿を直接見る機会が少なく、寂しく思っていましたが、

今日は応援ができてとてもよかったです。

ありがとうございました」

ともおっしゃっていただきました。

校長として、とてもありがたく思いました。

 

一昨年、昨年と、校内ロードレース大会では、

坂田さんの呼びかけで、

本の読み聞かせサークルしろやま文庫の皆さん、久玉婦人会の皆さんが、それにPTAのお母さん方も加わって、

さばの雑節でだしを取った豚汁やおにぎりを振る舞ってくださいました。

雑節やお米は、趣旨に賛同した保護者の方や久玉振興会から寄贈いただいたそうでした。

 

そのとき、坂田さんから生徒たちに直接おっしゃってくださったのは、

「中学校を卒業すると、牛深を離れていく子どもたちも少なくないと思います。

小学校の頃から本の読み聞かせを通じて成長を見てきた子どもたちに、

進路に向かって頑張ってほしいという激励のエールを込めて、つくりました」

ということでした。

 

前夜から久玉ふれあいセンターの調理室で準備をされた豚汁とおにぎり、漬物を

私たち職員もごちそうになりましたが、

牛深特産の雑節はとてもいい味が出て、とてもおいしかったのが忘れられません。

 

今年はコロナ禍の影響で、実施されませんでしたが、

坂田さんはじめ、皆さんの応援いただく姿や笑顔から、

地域の方が本校生徒を応援していただく気持ちは、今年も熱く伝わりました。

ほんとうにありがとうございました。

 

生徒、職員一同、コロナに負けずに頑張っていきたいと思います。

今後とも応援をどうぞよろしくお願いします。

 

ごちそうさまでした!「さば節」の豚汁(2018/12/21)

 

いただきます!おいしい雑節の豚汁とおにぎり(2019/11/24)

穴あき雲 Every cloud has a silver lining.

昨日のこの欄でふれた「火球」に続いて、

また空の不思議な現象がニュースになっていました。

 

雲にポッカリ“謎の穴”関東から九州で目撃(2020年11月30日放送「news every.」より)

 

「穴あき雲」と言われる雲で、

上記の動画のニュースでも言われていますが、

雲の一部が凍り始めて、穴みたいになるようです。

以下はNHKニュースからの引用です。

生徒の皆さん、理科の勉強と思って読んでみてください。

*****

午前8時ごろ千葉市若葉区で撮影された写真では、

雲の合間に大きな穴があいたようになっています。

撮影した60代の女性は

「初めて見る雲でとても驚いた。

同じような穴が見える範囲だけでも2、3個あった」

と話していました。

また、四国の上空でも撮影され、

高松市で午前7時半ごろに撮影された写真では、

空一面に広がった薄い雲の中に

大きな穴のようなものが見られました。

こうした現象について、

気象庁気象研究所の荒木健太郎研究官は、

秋から冬への変わり目に発生しやすい

「穴あき雲」と呼ばれる雲だといいます。

上空高いところにあるうろこ雲は水滴でできていて、

そこに氷の粒が発生すると、

その粒に周りの水蒸気が付着します。

さらにそこに水蒸気が集まっていき

うろこ雲の水滴が蒸発するため、

穴の空いたような雲ができるということです。

荒木研究官は

「きょうは各地にうろこ雲が広がったことが『穴あき雲』の原因とみられる。

同じ時間帯に各地で見られるのは、珍しい」と話しています。

*****

 

UFOが落ちてきた穴に見える!

という話もあります。

気象学的には決して珍しいものではないとのことですが、

私は初めて知りましたし、実際に見たことはありません。

「火球」と同様、日本各地で見えたことは、

偶然でもないような、不思議なことにも思えます。

 

以前、この欄で

Every cloud has a silver lining. という西洋のことわざについてふれました。

【2020/10/16】校長室ブログ この場合の銀の裏地は?

「どの雲にも銀の裏地がついている」という意味から転じて、

「どんなによくない状況でも、何かよい面がある」

「物事を楽観的に考えよう」ということを示すことわざです。

 

「コロナ禍に負けないで」という、

天からのメッセージ、啓示かもしれないですね。

今日は校内ロードレース大会です。

東中生の元気な力走を期待しています。

 

星(火球)に願いを

「火球」というのだそうです。

11/29(日)未明、西日本の夜空に大きな流れ星が現れ、

ニュース映像では、地上に届く直前にひときわ大きく燃え上がって、火の玉のように見えました。

 

SF映画で宇宙怪獣が地球に落ちてくる場面のようではないですか?

私には、そうとしか見えません。

 あるいは

 

ところで、

「流れ星が消えるまでに願い事を3回唱えると、願い事が叶う」

という、ロマンのある言い伝えをご存知でしょう。

(MICAさんも、プラス+のことを口にするときっと叶う、と言われていました)

なぜ、願い事が叶うのか?と聞かれたある人が、

「それは、とっさに3回も言えるような願い事なら、

その人が日頃からいつも心に留めて叶うように努力していることだから、

そのうち実現するのではないかな」

という意味のことを言われていました。

「願えば、叶う」ということかもしれませんね。

 

今回、西日本各地で見られた火球は、「疫病退散」の吉兆ならいいなという気もします。

When You Wish Upon A Star 【ピノキオ】 - YouTube

映画「ピノキオ」の「星に願いを」。

ビリー・ジョエルの歌で訳詞付きです。英語の勉強にもなるので、聴いてみましょう。