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2020年9月の記事一覧

牛深東にまつわる?昭和の風景2つ

今日は本校にまつわる昭和の風景を紹介してみます。

まず、校長室にかかる1枚の写真です。

昭和53年3月の本校の前身・久玉中の様子です。

懐かしい方もいらっしゃるかも知れません。

校舎は木造2階建てが2棟、テニスコートはありません。

体育館は正門横、現在のブルペン、駐車場付近にあったようです。

 

その後、校舎は改築されました。

昭和54年5月の鉄筋4階建て校舎の偉容です。

左下にはまだ体育館への渡り廊下が見えます。

白亜の校舎は築41年ということになります。

先日の台風にもびくともせず、頑張ってくれています。

 

昭和の風景をもう一つ。

バス発着場所の前の川にある、簡易水道?です。

小さな橋の上流から、パイプで取水し

橋の下流に出してきて

ここで流れ出します。

水道?の流れ出るところを橋の方から見ると

道路から階段を降りていって、水道が使えるようになっているのが

よく分かりますね。

収穫した野菜などの洗い物を洗っておられた

名残でしょうか。

7月の豪雨の後は一時不通でしたが、

その後修復され、今日もきれいな川の水が

水道を通って使えるように流れ続けています。

ちょっとローマ時代の水道を思わせるような、

ロマンあふれるミニ水道でした。

両国国技館の思い出

熊本県宇土市出身の正代関が秋場所で念願の優勝を果たし、

見事大関昇進を決めました。

熊本県出身力士の幕内優勝は史上初、

大関誕生も、深海の英雄・栃光関以来ということで、熊本のファンも大喜びです。

【2020/5/8】校長室ブログ 深海が産んだ名大関 栃光関

 

正代優勝、盛り上がった熊本「水害受けた県民、元気に」(朝日新聞デジタル)

正代、熊本の応援「背中を押してもらった」一夜明け(日刊スポーツ)

インタビューの様子などを見ても、とても誠実で好感の持てるお相撲さんのようですね。

(全国大会に出た小5の正代くん)

 

大相撲と言えば、私は一度だけ両国国技館で観戦したことがあります。

調べてみたら、平成15年1月場所とありますから、もうずいぶん昔のことです。

暖房が効いていて、汗ばんだことと、

屋根の下の土俵が案外小さく、力士が2人上がると狭ーく見えたのが印象的でした。

 

ちょうどその日(8日目)は、横綱貴乃花にとって最後の土俵になりました。

当時の貴乃花は、長期の休場や相次ぐケガで、

誰の目にも引退間近な印象でした。

貴乃花と言えば、稽古熱心で、片脚を高く上げる美しい四股が有名でしたが、

当日の彼は、私が見ても、大きくなりすぎた上半身を持て余したような感じで、

いくら相撲とは言っても、スポーツをする人には見えませんでした。

取組では、貴乃花を応援する国技館いっぱいの大歓声が起きましたが、

格下の相手にあえなく敗れたのでした。

貴乃花があっけなく負けたとき、

「キャー」という大きな悲鳴がいくつも上がったのも覚えています。

国技館を出る人混みの中で、

見知らぬ人たちが何人も

「もうだめだな」「終わりだね」などと話しているのが聞こえました。

 

その日の夜、スポーツニュースでこの一番と

国技館のファンへのインタビューが放送されていました。

ある貴乃花ファンというおばさんが「貴乃花がかわいそう」

と言っておられました。

私は、あの悲鳴の一人はこの人かな、などと思いながら見ていたのですが、

番組の解説者の人がこれを見て

「横綱がかわいそうなどと言われたら、もうおしまいだ」と言っていて、

勝負の世界は厳しいものだなとも思いました。

 

横綱は力が衰えたり、追い越されたりしても降格はなく、引退しかありませんね。

頂点に立つ華やかな栄光と、さびしい末路が

いつも背中合わせなのだなと思いました。

 

貴乃花 最後の優勝(平成13年 夏場所)「痛みに耐えてよく頑張った。感動した」

イエスタディ

「イエスタディ」という映画を見ました。

 

「売れないシンガーソングライターが交通事故に遭い、

目が覚めるとそこは、自分以外だれもビートルズを知らない世界だった」

というストーリーで、

誰も知らないことをいいことに、

ビートルズの曲を自分がつくったことにして歌っては、

スターになっていきます。

 

ストーリーはさておき、

私の印象に残ったのは、

ビートルズの曲の美しさです。

ビートルズが活躍していたのは私が小学生の頃でしたが、

それこそ先日この欄で登場した

岩田屋伊勢丹のレコード店で、

「let it be」のシングルレコードを買った記憶があります。

 

映画のタイトルにもなっている

「yesterday」はもちろん名曲ですが、

メロディだけでなく、歌詞もよく読んでみると心にしみるようです。

 

*****

Yesterday, all my troubles seemed so far away

Now it looks as though they're here to stay

oh, I believe in yesterday


昨日は、悩みなんて遥か遠くにいたのに

今はここにいるかのようで

Oh, まだ昨日のような日を信じてる

*****

 

ちょっと演歌調でもあるように思います。

 

*****

Yesterday love was such an easy game to play

Now I need a place to hide away

Oh, I believe in yesterday.


昨日までは 愛なんて簡単なゲームだったのに

今はもう どこか隠れてしまう場所が欲しいんだ

Oh, まだ昨日のような日を信じてる

*****

 

この部分など、to不定詞の例文として覚えるのにいいみたいですが、

宮﨑先生、いかがでしょうか。

 

 

本校の先生たちの中で英語が一番堪能なのは、もちろん宮﨑先生ですが、

二番手は美術の大田先生に間違いありません。

よくブレフィニ先生と歓談されていて、うらやましいです。

私が、英語ができる人がうらやましいのは、特に、英語の歌や映画のセリフがよくわかることです。

音楽や映画の楽しみが何倍も広がると思うからです。

(しかし、知人の英語の先生が、レディー・ガガの「born this way」は英語の先生にとっても歌うのは難しいとおっしゃっていました)

退職したら、英語の勉強を始めようかと思っています。

 

そんな私が中学時代に

バス旅行の貸切バスの中で歌った歌があります。

カーペンターズの

「yesterday once more」という曲です。

 

*****

When I was young I’d listen to the radio

Waiting for my favorite songs

When they played I’d sing along

It made me smile

私が若かった頃は、ラジオを聴いて

好きな曲が流れるのを待っていた

その曲が流れると、一緒に口ずさんで

笑顔になれた

*****

と始まる曲です。

今でもカラオケで気合が入ると歌うことがあります。

 

生徒の皆さんも、英語の曲を英語で覚えて歌ってみると、

もっと英語が好きになるかもしれませんよ。

  

言葉は時代とともに

先日、「国語に関する世論調査」の結果について、文化庁が発表していました。

私は以前国語を教えていましたので、この調査の記事などは興味があります。

よく授業やテスト問題でも使わせていただきましたが、

今回も、本来の意味とは違って(誤解して?)使われている言葉について、質問がされています。

ちょっとチャレンジしてみてください。

 

次の言葉の本来の意味は、ア、イのどちらでしょうか?

①手をこまねく

 ア 準備して待ち構える  イ 何もせずに傍観している

②敷居が高い

 ア 高級過ぎたり、上品過ぎたりして、入りにくい  イ 相手に不義理などをしてしまい、行きにくい

③浮足立つ

 ア 喜びや期待を感じ、落ち着かずそわそわしている  イ 恐れや不安を感じ、落ち着かずそわそわしている

 

本来、次の意味で使われる言葉はア、イのどちらでしょうか?

④「今までのことを改め、最初から始めること」

 ア 新規巻き返し  イ 新規巻き直し

⑤「前に負けた相手に勝つこと」

 ア 雪辱を晴らす  イ 雪辱を果たす

 

いかがでしょうか。

正解は

すべて、イでした。

調査による正解率は順に

①37.2%  ②29.0%  ③26.1%  ④42.7%  ⑤38.3% とのことです。

私は②③④は、よくわかりませんでした。

調査でも③浮足立つ には苦戦したようで、4人に1人しか本来の意味が答えられなかったようです。

(朝日新聞デジタル から)

 

ただ、言葉の意味や使い方は時代の流れによって変わっていくものなので、

一概に、正しい・誤りだ、良い・悪い、とは言えないものだと思います。

 

また、最近よく「◯活」、「◯◯ハラ」という言葉がどんどん増えているようです。

どちらの言葉も5割以上の人が「自分は使う」として答えていて、一般に浸透していることがわかったそうです。

 新しい言葉も増えているのですね。

 

「SNSの普及で寛容に? 国語「乱れていない」30.2% 調査開始以来最も高く」という記事によると、

*****

 今回の調査では、国語が乱れているかどうかについての認識も尋ねた。

ほぼ5年置きに設けられる質問だが、「乱れていると思う」は前回の2014年度と比べて7・1ポイント減の66・1%まで減少し、

逆に「乱れていないと思う」は6・7ポイント増の30・2%と調査開始以来最も高くなった。

*****

ということです。

このことについて、同記事では

*****

文化庁の担当者は

「SNS(ネット交流サービス)の広がりによって誰もが表現する時代になり、

多様な言葉に触れることで新しい使い方に寛容になってきているのではないか」

と推測している。

*****

と締めくくっています。

確かにSNSの普及で、以前にも増して文章を書いたり(打ったり?)、

読んだりする機会はむしろ増えてきています。

多様な言葉の「新しい使い方」に寛容になることは、

悪いことではないかもしれませんが、

言葉の感覚が雑になったり、

心を込めなくなったりしないならいいな、と思いました。

避難する時に

昨日は、天草市に届いた「爆破予告」のため、

市教育委員会の指示を受けて、一時避難をしました。

予告時刻をはさんで給食後の45分間、屋外で避難、待機しました。

 

前日から私たちは対応の準備に取りかかりました。

まず、給食センターと連携しながら、当日の特別日課を協議しました。

給食センターのご協力で、通常より1時間以上早い給食実施としました。

 

翌日試合に参加する部活動もあるので、部活動の時間は確保し、

万一に備えて、日没前にスクールバスでも下校できる日課としました。

 

避難場所については、一時避難とはいえ、45分間の長い避難であり、苦慮しました。

職員の車も校舎周辺には駐車できません。

校舎から離れた場所として、野球部のブルペン付近を想定しました。

前日は雨天でしたので、当日午前に天候、グラウンドの状態などを考慮して、最終決定することとしました。

 

45分間の待機の仕方については、全校生徒の健康状態を最優先する必要があり、

また、天候や気温のことも配慮しなくてはなりません。

 

当日朝まで職員からいくつかの意見がありましたが、最終的には、屋外で座って待機することとしました。

 

急な対応を迫られ、職員の協議の時間も十分には取れませんでしてが、先生たちも本当によく協力してくれました。

 

その中で、

「どうせ大したことはないだろう」

「自分たちの学校に限って」

という「正常性バイアス」を働かせることなく、

危機対応をどうすべきか真剣に考え、

生徒たちと共にやってみようと先生たちが言ってくれ、共通理解することができました。

 

当日朝、避難の際には帽子と水筒を必ず持つようにと、確認をしていた時です。

 

朝の会で連絡を終えた先生から、相談がありました。

「自分の大事なものを持って避難したい、と生徒から申し出がありましたがいいでしょうか」

その大事なものとは何か尋ねると、

 

「野球のグローブです」

 

ということです。

 

命と安全を守るために避難するのですが、

「日頃から大切にしているものを校舎に残して行きたくない」

という気持ちは、とてもよくわかるものです。

 

私は、ハッとしました。

日課や避難場所など全体的な動きのことばかりに考えが行き、

一人の人として差し迫った危機から自分を守るという

「自分ごと」としての思いが足りなかったのではないかと思いました。

生徒の「気づく力」のおかげで、

危機対応に当たってとても大事なことを学びました。

 

「自分の管理の元、持ち出したいものは持って避難してもよい」

給食の時間に放送で連絡をしてもらいました。

 

ブルペン付近に避難・点呼の後、

校長住宅脇の階段に腰を下ろして、生徒たちは整然と待機してくれました。

持ち出したグローブをはめて、

じっと見つめている生徒の姿もありました。

45分間の屋外での避難、待機は短いものではありませんでしたが、

この経験も、決して徒労ではなかったと思ったことでした。

 

保護者の皆さんにはご心配をおかけしましたが、

急な日課の変更などの対応にご理解をいただき、ありがとうございました。

 

 

「体育大会川柳」から

水曜日の東天の時間、応援団、ダンス、パネルのリーダーたちは

それぞれ集まって振り返りをしました。

そのリーダー以外の1、2年生は、

体育大会の思い出を川柳(五七五)に託してみました。

 

掲示板に掲示してあったので、ご紹介します。

 

練習から 全力出した 体育大会 (1年 田中さん)

忘れない 全力出した 十種目 (1年 松山さん)

今回は練習時間が短い中、全員で頑張りました。

また、プログラムも10種目に減らして行いました。

1年生らしい頑張りが「全力出した」に込められていますね。

 

演奏を 一生けん命 やりとげる (1年 戸塚さん)

1、2年生だけの吹奏楽部、各コンクール等が中止になる中で、

素晴らしいデビューをしました。

堂々たる演奏でした。

 

唯一の団体競技、長縄跳びでは本番ですごい新記録が連発しました。

あきらめず 心を一つに 長縄跳び (1年 梅川くん)

長縄を みんな頑張って 新記録 (2年 小田くん)

なわとびで 五十五回跳んで 新記録 (2年 岩本くん)

どの学年も、すごい跳躍で、その団結力に目を見張りました。

 

声出して みんなで一つ 体育大会 (2年 横手くん)

大空に みんなの歌声 鳴り響く (1年 吉田(梨)さん)

生徒たちの元気なかけ声や応援、感動の校歌の歌声も思い出に残ります。

 

また、全校生徒で心を一つにしたことを、五七五に込めてくれました。

体育大会 あせを流して つくりあげる (2年 冨永くん)

団結力 感染症も 吹き飛ばす (2年 榎田(遙)さん)

 

1年生は体力的にきついこともあったでしょうが、楽しかったと言ってくれています。

体育大会 たのしい一日 またやりたい (1年 西さん)

 

最後に、「才能あり」をあげてもいいような

思い出の情景を表現してくれた作品です。

曇り空 紅白燃えて ひかりさす (2年 江良さん)

 

全部は紹介しきれませんでしたが、皆さん、ありがとうございました。

 

体育大会を支え、応援していただいたスナップ集

 体育大会を終え、保護者の方や地域の方から、

たくさんのご感想やご意見をいただいています。

「ダンスや応援団、特に3年生のいきいきした笑顔がよかった」

「150m走で2年生が大きな声で返事をしていて気持ちよかった」

「1年生の姿から、小学校の時にも増して一生懸命さが伝わりました」

「入場行進、胸を張って立派でした」

「毎年ですが、最後の校歌には胸を打たれました」

 など、私もいくつかの声を直接お聞きしました。

「半日でしたが、その分子どもたちが競技に集中している姿がよかった」

という声もありました。

涼しい天候やグラウンドの状態にも恵まれたことも、体育大会の成功の理由かとも思います。

また、それにも増して、保護者の皆さんをはじめ、

体育大会を支え、応援していただいたおかげだと思います。

重ねてありがとうございました。

競技、演技以外のいくつかのスナップをご紹介します。

 

朝6:00のグラウンドです。爆竹を鳴らした後、先生たちがラインを引き始めました。

大会スローガンを掲示しました。

高さの調節の影にはご苦労がありました。

7:30過ぎ、一般受付のテントにはPTA体育委員さんがスタンバイいただきました。

来賓受付もスタートしました。PTA執行部の皆さんです。

地域の来賓の皆さんも続々とお越しいただきました。

写真が撮れませんでしたが、

駐車場整理は、PTA美化安全委員の皆さんに早朝からお世話になりました。

ありがとうございました。

 

カメラマンコーナーは大盛況でした。

お互い譲り合っていただいていました。

閉会後の片付けを保護者の方々が手伝っていただき、

予定よりずいぶん早く終わりました。

ありがとうございました。

片付けが早く終わった分、解団式や写真撮影の時間に余裕ができました。

最後まで、たくさんの方が残っておられました。

百貨店と世の中について

昨日、このような記事が目に止まりました。


日本百貨店協会によると、99年末にピークの311店あった百貨店の店舗数は、10年末に261店、今年7月末は203店。

8月だけで、昭和期に開店した井筒屋黒崎店(北九州市)や西武大津店(大津市)をはじめ、計8店が閉じた。

百貨店の強みは? 空白県次々、50年ぶり200店割れ(朝日新聞デジタル)」

(写真は同記事から)


全国的に百貨店(デパート)が営業不振で、閉店が相次いでいるという記事です。

百貨店のない「空白県」も山形県、徳島県の2県となったそうです。


熊本県も、今あるのは、は鶴屋百貨店だけでしょうか。

私の小さな時は、鶴屋に加えて、大洋、銀丁がありました。

昭和40年ごろ(!)でしょうか、鶴屋の上の方の階の催事場(?)で「ひょっこりひょうたん島」の人形劇(?)を見た覚えがあります。

銀丁の食堂では、お子様ランチを食べていましたし、ソフトクリームは銀色のソフトクリーム立て?に立てて出てきていました。

かわいい銀丁饅頭も好きでした。

大洋には記念切手のお店のコーナーがあったので、小学生の頃には友達と行っていました。

屋上で50円のラーメンをよく食べていました。

エスカレーターを上ったところに、映画「エルビス・オン・ステージ」のポスターが張ってあったのを覚えているのはなぜでしょう。

屋上といえば、鶴屋の屋上は遊園地だったと思います。

さらに、小学生の頃には岩田屋伊勢丹という都会的なデパートもできました。

当時珍しかったシースルー・エレベーターにびっくりしたものです。

二十歳の時に初めてスリーピースを買ったのは、そこでした。

今では、跡地が SAKURA MACHI Kumamoto になっていますね。


まあ、大昔の話はどうでもいいかもしれませんが、

そうでなくても天草の子供たちには百貨店は馴染みのないものでしょうね。

 

数年前、ある都市の百貨店に立ち寄ったことがあります。

小学生の頃に親戚に連れていってもらった記憶があった百貨店でした。

その当時は垢抜けた都会のデパートという感じで、

熊本にはない人出で賑わっていました。

フィンガー5の「個人授業」が店内を流れていたのを覚えています。

その百貨店を40年ぶりぐらいに訪れてみました。休日の夕方でした。

デパート名(経営者)は別のものに変わっていました。

建物こそ昔のように、立派で堂々としていましたが、

人影はまばらで、地下の食料品売り場には高そうなフルーツがきれいに並べてありました。

そのほかは、ほとんどお客さんは見当たりません。

特に若いお客さんには会いませんでした。

制服を着た店員さんがぽつぽつと立ち話をしていました。

私が買い物をするように見えなかったのかも知れませんが、

「いらっしゃいませ」ともあんまり言われませんでした。

上の方の階のレストランは閉鎖してあり、代わりに100円ショップが入っていました。

以前、百貨店は、子どもから大人まで、

そこにおしゃれをして着ていく服を買うために、おしゃれして行くところで、

私たち子どもにとっては、おもちゃをおねだりし、屋上で遊ぶところでした。

特別な場所だったと思います。

いつから過去のものになったのでしょう。

 

そういう私も、ユニクロも無印良品もないと、あんまり買いたいものはありませんでした。

一昔前、一世を風靡したスーパーのダイエーが経営不振になったとき、

「なんでもあるが、ほしいものがない」と言われていたのを思い出しました。

 

有名百貨店の包装紙がブランド力を発揮し、

「お中元、お歳暮は〇〇百貨店で」と思っていましたが、今もそうなのでしょうか。

 

なにか寂しい魯迅のような気持ちで、輝いていた頃に見た百貨店を後にしたのでした。

 

ここで、私が何を言いたいのかといいますと、

そこまで来ているかもしれない、アフターコロナ、withコロナの時代に

学校はどうあるのがいいのか、考えているからです。

学校と時代との「ズレ」が今まで以上に生まれないかな、と考えています。

集団での対面授業、大勢集まっての学校行事や修学旅行。

テーブルクロスもない教室の机での生徒による給食の配膳と食事。

養護の先生はいらっしゃいますが、

何百人も子どもが生活する学校でも、医療スタッフは一人もいません。

 

この生徒たちが保護者になる頃、学校はどうなっているかな、と思ったことでした。

(外壁にリボンが掛けてあった、おしゃれな岩田屋伊勢丹)

封じ手について

昨日、このようなニュースが流れました。

 

7~8月に藤井聡太棋聖(18)と木村一基王位(47)=肩書はいずれも当時=が対戦した将棋の王位戦7番勝負の「封じ手用紙」を出品したインターネットチャリティーオークションが20日午後9時に締め切られた。

最高入札額は藤井棋聖が封じた第4局で、1500万円となった。

藤井聡太2冠の「封じ手」最高1500万円!チャリティーオークションで入札締め切り

 

益金は、7月の九州豪雨被災地への救援金に当てられるそうですが、

それにしても1500万円とは高額ですね。

 

「封じ手」とは「2日制の対局で第1日を終えた時点の手番棋士が指し手を指定用紙に記入するもの」(同記事から)です。

つまり、49手目を先手が指した後、後手が50手目を考えている時に定刻がくると、

後手は、次の50手目を指したことにして紙に記入します。

そして、その紙の内容(50手目)は誰にも知らされず、立会人によって封筒に入れて金庫にしまわれるのです。

つまり、世の中の人は全員、49手目までは知っていますが、

50手目がどう指されたのかは、世界中で紙に記入した後手本人しか分からないまま、

翌日の対局再開まで、一晩を過ごすわけです。

 

後手の人が1手多く局面を知っているわけで、得するようですが、

私なら一晩過ごすうちに、

「あれー、やっぱりああ指すんじゃなかったかなー」とか

「金庫を開けて書き直せないかなー」とか考えそうです。

たしか、ドラマ古畑任三郎とか、いくつかの推理小説にも封じ手は登場するようです。

 

さて、9月19日の体育大会では、生徒たちは本当によく頑張って、

「東継皆進」のテーマのとおり、東中の伝統を輝かせてくれました。

また、保護者の皆さん、地域の方々の支えの大きさを改めて感じたところでもあります。

 

この連休を挟んで、明日から東中は令和2年度の後半戦に入ります。

われわれは、9月、10月と作戦(!)も用意しているところです。

 

自信を持って、封じ手の開封を待っているような気持ちになっています。

今後の東中にも応援をよろしくお願いします。

「幸せはいつも今ここにある」

今日も素晴らしい秋空が広がっていますね。

 

今日は、「幸せはいつも今ここにある」という詩をご紹介します。

 

ただし、(  )①〜⑩に当てはまる言葉を考えながら読んでみてください。

 

「楽(①)道」を選べば

見える景色はいつも同じ

「楽(②)道」を選べば

見える景色はいつも変わる

「他人」に期待すれば

(③)する方へ流され、

「自分」に期待すれば

(④).する方へ導かれる。

「自分は(⑤)」と考えれば

未来は暗い方へ流され、

「自分の(⑥)」と考えれば

未来は明るい方へ導かれる

「できない」と思えば

(⑦)が 形作られ、

「できる」と思えば

(⑧)が 形作られる。

「不満」ばかり数えれば

(⑨)を引っ張る人になり

「感謝」ばかり数えれば

(⑩)を引っ張る人になる。

「幸せはいつも今ここにある」

    

 

 

 

解答例

 

①な

②しい

③イライラ

④ワクワク

⑤ダメ

⑥タメ

⑦限界

⑧可能性

⑨足

⑩手

      

「幸せはいつも今ここにある」

いい言葉ですね。

 

「なんで」を考えること

先日、ちょっと考えさせられるツイッターの記事を目にしました。

*****以下引用

食事中によく食べ物をこぼす子。

親は「なんでこぼすの!」と叱っていたが、あるとき「本当になんでこの子はこぼすのか?」と冷静に観察してみた。

すると、食器の縁の形に問題があることや椅子が高すぎることなどの原因が見つかり、それを改善したらこぼさなくなった。

「なんで」は親が考えることなのだ。

*****

………「なんで」は親が考えることなのだ。

というのは、教師も一緒のことだと思います。

私もよく「なんでできないのか」とか、言ってきました。

バスケット部の指導をしていた時も、

試合中に

「なんでそのシュートを決めないのか!」

とか言っていた気がします。

今思えば恥ずかしい限りです。

指導にも何にもなっていませんでした。

「もう少しひじを上げて」

とか、

「もっとひざを曲げて」

とか、焦点化してアドバイスすべきだと、後から学びました。

 

子どもが頑張ってもうまくいかないでいる時、

本人も「なんで」と思っているかもしれません。

それを解決できるように、

一緒に考えていかねばと改めて思いました。

 

体育大会 校長あいさつ(抜粋・改)

(本番では予定と全く違ったあいさつをしましたので、修正します)

今年度は、新型コロナウイルスの感染防止のため、

規模と時間を縮小しての体育大会です。

東中らしい体育大会を9月に実施するという決定をして、

計画・準備を進める中で、

まず最初にカットしようと職員で話し合ったのが

ただいまご覧いただいた入場行進でした。

しかし、練習を進める中で、

後迫実行委員長・生徒会長と役員たちから

「入場行進をさせてほしい」という要望があがりました。

「入場行進で東中全員の団結を見てもらいたい」

という意見でした。

 しかし、練習時間はないので、1時間だけ生徒会に時間を任せよう、と職員で話し合いました。

「先生たちは何も言わないので、自分たちでやれるだけやってみなさい」

と生徒に伝えてもらいました。

そして、先日、休憩をはさんで40分ほど、

生徒会、リーダーを中心に練習をしました。

今日がその時以来、2回目の行進でした。

生徒たちの入場行進は、いかがだったでしょうか。

 

今回の大会スローガンは、「東継皆進 今しかない やるしかない」です。

東中の伝統を受け継いで、72名の全校生徒で進んでいこうという、

生徒会の思いがこもったスローガンです。

私は今日の入場行進を見て、大会スローガンそのものの光景を目にしたように思います。

この光景を目に焼き付けておきたいと思います。

 

ご来場の皆様、生徒たちのこのこの思いを受け止めて、

最後まで応援をよろしくお願いします。

生徒の皆さんの健闘を祈ります。

校長室ブログ 予定になかった入場行進を練習したわけ(2020/9/16)

101本目の矢

明日はいよいよ体育大会です。

後迫実行委員長、脇﨑赤団団長、山下白団団長を中心に

短い時間で制約も多い中、生徒たちは練習・準備を頑張ってきました。

 

的を射抜く
矢の1本1本が

的を外した
100本の矢の
成果なんだ

 

これは、ロビン・シャーマ(カナダの作家)の言葉です。

 

これまでのプロセスの中で、

うまくいかないことや意見の衝突、

時には悩んだこともあったと思いますが、

明日多くの人たちの前で、

東中生の実力を発揮してくれることを期待しています。

保護者の皆さん、地域の皆さん、どうぞよろしくお願いします。

Uber Eatsと出前の思い出

Uber Eats という、食べ物の配達サービスが

熊本にも登場したそうですね。

美味しいレストランの味を自宅でも!などという触れ込みのようです。

withコロナの新しい生活習慣の中では、

こういったサービスの需要はますます増えてくるかもしれません。

 

さて、いわゆる出前というと、思い出があります。

私が小学生のころ、近所に二軒のラーメン屋さんがありました。

うちでも時々ラーメンの出前を取ることがありました。

たまに出前を取ると、なんかワクワクしたものです。

しかし、よく覚えていることがあります。

出前のラーメンどんぶりに、冷めない(あるいはスープがこぼれない)ように、

ラップがかけてあったのですが、

そのラップには、どんぶりの直径にちょうどハマるような大きさのゴムが仕込まれていたのでした。


私はそのラップを上手に外すことができずに、

ゴムがバチっといって外してしまうので、

その反動でちゃぶ台の上や手に、スープがかかってしまっていました。

手にとんこつのにおいが付いてしまっていたのがなつかしいです。

 

もう一つ、印象に残っているのは、この二軒のラーメン屋さんの出前には、

ちょっとした違いがあったことです。

 

それはこういうことです。

一軒のラーメン屋さんは出前を取ると、ラーメン代と別に、出前の手間賃を10円取っていました。

お店の方は、前述のどんぶり用ラップの代金と言われたようですが、

時間と手間、バイクのガソリン代などと思えば、無理からぬことのような気もします。

 

ただ、もう一軒の別のラーメン屋さんは違っていました。

そのラーメン屋さんは、出前を届けると、

逆に10円を置いて帰っていかれるのでした。

聞くと、「電話代です」ということだったと思います。

私の親と話しているのを横から聞いたのですが、

「何軒もラーメン屋がある中で、うちに電話してもらったんだから」

と配達に来たご主人が言っていたのを覚えています。

 

子ども心に、同じようにラーメンを頼んでも違うもんだなぁ、と不思議な感じがしたのを覚えています。

 

さて当時、うちはどちらのラーメン屋さんに多く出前を頼むようになったでしょうか。

皆さんならどうでしょう。

どちらのラーメン屋さんが繁盛したと思われますか。

 

感謝の気持ちが心の底にあるかどうかは、大切な気がします。

予定になかった入場行進を練習したわけ

今回の体育大会は、新型コロナの対策のため、午前中半日で実施します。

そのために、競技のプログラムや練習日程をどうするか、

早くから職員で協議してきました。

 

そのプログラムの検討の中で、最初に削ったのは入場行進でした。

おそらく、これまでは生徒と職員で、こんな入場行進をしたいという意識に多少の隔たりがあったのかもしれません。

昨年も練習時間をけっこう長時間費やしても、なかなか成果が出にくい面がありました。

また、せっかく練習しても、例年、開会式前の入場行進の時には

観覧の皆さんが思いのほか少ないこともありました。

このような理由で、プログラムのスリム化に当たって、最初にカットして

後の計画を進めていきました。

 

ところが、体育大会の練習が進む中で、

生徒会役員から「入場行進をさせてほしい」という要望があがりました。

 

私も話を聞きました。

「生徒全員で行う競技が少なくなった中で、

入場行進で東中全員の団結を見てもらいたい」

「全校生徒の一体感を味わいたい」

「生徒会のリーダーシップを発揮したい」

というような率直な生徒たちの意見を聞きました。

 

やるからには東中生らしい入場行進をつくりあげなくてはならないというのは、

生徒も職員も同じ思いです。

しかし、もともと少ない練習時間が、台風10号による臨時休校によりさらに短くなりましたし、

生徒会に練習時間を任せるにしても、最大50分ではないかということを伝えました。

生徒会が呼びかけて練習を指揮し、

50分以内で、納得のいく行進ができあがらなかったら、そこまで。

練習の延長や追加はできない、ということも伝えました。

 

生徒会長からは、それでいいので、やってみたいという強い気持ちを聞きました。

小多先生を中心に、職員で話し合い、

「全体練習の一コマ50分を、入場行進の練習の時間として生徒会に託そう」

ということにしました。

 

それが、昨日の5時間目でした。

以下は昨日の「学校生活」の記事の引用です。

*****

予定外の入場行進の練習(2020/9/15)

今週も秋風の中、体育大会の練習です。

今回の体育大会では、練習時間やプログラムの短縮で、

入場行進は行わない予定でしたが、

後迫生徒会長たちの

「入場行進で東中の団結した姿を見せたい」という思いで、

今日1時間だけ練習の時間を取りました。

 

昨日、野球部と陸上部が整備に協力してくれたおかげで、

体育大会の会場としてのグラウンド準備が整いました。

後迫会長が体育大会と入場行進への思いを訴えました。

練習の指示も会長です。

生徒会、各団リーダーを先頭に練習です。

1回目の練習を終わりました。

会長が「もっとできますよね」と気合いを入れました。

 

この後、各団で話し合いながら練習をしました。

もう本番まで練習はしません。

当日、どんな入場行進になるか、楽しみにされてください。

*****

練習は給水タイムをはさんで、予定より10分ほど早く終わりました。

まだまだ課題はあるでしょうが、

「気づき・考え・実行する 日本一の生徒会」らしい練習でした。

放課後に、会長さんと話をしましたが、

「やっと体育大会という感じがしてきました」

と笑っていました。

保護者、地域の皆さん、体育大会当日は、入場行進もぜひご覧になってください。

どうぞよろしくお願いします。

大坂なおみ選手の成長

日曜日のスポーツニュースで、

テニスの大坂なおみ選手の全米オープン2度目の優勝が伝えられていました。

 

そのプレーの素晴らしさはもちろんですが、

人種差別に反対する意思を、

差別で犠牲になった方の名前を記したマスクを着用して

試合会場に入ることで示していたことにも、注目を集めました。

一人一人の名前というのも、犠牲になった方の家族の思いなどを思い起こさせました。

 

「決勝まで進んで、7枚のマスクを全部着けたい」とも言っておられましたが、

それだけでもプレッシャーになりそうです。

 

表彰式のインタビューでは、

「7つの試合、7つのマスク、7つの名前、

これらであなたは何を伝えたかったのですか」と質問されました。

大坂選手は、

「質問を返しますが、あなたは、どんなことを受け取りましたか。

みんなが考えるきっかけになればと思います」

というようなことを答えていました。

 

翌日の記者会見でも同様の主旨の質問に

「よく同じような質問を受けますが、

このことが多くとりあげられることが、私の願いでもありました」

という意味のこともおっしゃっていました。

 

 

私は自分の言葉で自分の考えを明瞭に言う姿勢が素晴らしいなと思いました。

テニスをすることの意味が、

大坂選手の心の中で少しずつ変わってきたように思われます。

前回の優勝の時と違って、

大きな影響力を持ちながらプレーしている彼女は、

心身共に第一人者になってこられたなと思います。


8/28今日の東天「人権の尊重は 命の尊重」

YAHOO!ニュース 全米オープンで大坂なおみが手にした、もう一つの勝利

 

菅さん式人生相談の練習(後編)

新聞の「人生相談」の「答え」の方を隠して「相談者」の相談内容の方だけを読み、

「自分ならどう答えるだろう」と考えるという、

菅官房長官の「人生相談の練習」の実践・後編です。

 

どんな相談かは、昨日のこの欄をご覧ください。

菅さん式人生相談の練習(前編)

 

「片時もスマホを手放さない高校生の娘」という相談内容でした。

皆さんなら、どう答えられますか?

 

まず、私の考えてみた回答です。

家庭内でルールを作っても効果がないのであれば、実力行使?も辞さずではどうでしょう。

充電器はお茶の間に固定して、22時以降はスマホをそこに置くようにするとかはどうでしょう。

「親のお金で買ったスマホを、あなたに使わせてあげてるのだからね」

「電気もWi-Fiも親の働いたお金で使ってるのよね」とか。

(ちょっとギスギスしますでしょうか)

 

あるいは、スマホの使いすぎが眼や脳に悪い影響を与える、医学的根拠を示して、

子供部屋の壁に張るというのはどうでしょう。

(これもちょっとどうかな感がありますか)

 

幼児の視力低下が心配!テレビやスマホ、タブレットを長時間見ると近視になる? ベネッセ教育情報サイト

 

では、この記事の回答者、玉置さんの回答です。

【玉置妙憂の心に寄りそう人生相談】片時もスマホを手放さない高校生の娘

***** 以下引用 *****

うーん……四六時中スマホ。母としてご心配のあまり奥さまがイライラするお気持ち、察するに余りあります。

そして、間に立ってなんとかみんなが幸せになれる効果的な方法はないかとお考えになっているあなたさまのご心労、いかばかりか。

我が家にも娘さんと同じ年ごろの愚息がおりますが、やっぱり息をするように一日中スマホをいじっています。


ただ、それは、時代が完全に変わったからだと私は思うのです。

あなたさまも電車に乗ったときご覧になったことがあるでしょう。

箱の中の9割の人間がスマホを見ています。

良い悪いではなく、そういう時代になったのです。


ひと世代前の私たちとしては、なかなかその変化に対応できない。

朝から晩までスマホをいじっていることを真っ向から否定したくなります。

なぜなら、自分の中にその文化が無いから。

そこには、事の良し悪しの公平な判断ではなく、やみくもに自分の持っている文化を相手に押し付けようとしているところがないでしょうか。


当然のことながら、共通の基盤を持たない者がつくった「ルール」というのは、得てして守られないものです。


まずは、お嬢さんが身を置いている時代の波に私たちも乗ってみませんか。「すごいね。面白そうだね。何をやっているのか教えてよ」と。

そうして、あなたの文化を認めているよ、共有したいと思っているんだということを伝えます。


次に、「あなたはスマホばっかりいじって!」という言葉を「私は一日中スマホをいじっているあなたが心配なの」と言い換えて、お話をしてみてください。

ポイントは「あなたは」を「私は」にすることです。「あなたは!」は相手に防御態勢をとらせてしまいます。まずは「私は」で壁を壊してこちらの思いが相手に届くようにしましょう。


そして、ぜひ娘さんに、電源さえ落とせばあなたが見ている世界からいつでも離れることができると、脱出ルートを教えてあげておいてください。

*****

いかがでしょうか。

さすがに説得力のある回答だと思いました。

 

私はまず、

「当然のことながら、共通の基盤を持たない者がつくった「ルール」というのは、得てして守られないものです」

というところがなるほどと思いました。

自分のことを理解してくれている人の言葉しか、人の心には入っていかないかもしれないからです。

そもそも、この玉置さんの回答自体が、相談者の方の気持ちに共感して優しい語り口ですね。

あなただけではなくて、うちもそうです、と言われると、

相談者もそれだけで少しホッとするかもしれません。

 

そして、その方針で子どもの立場や認識を共有して、

その後、「あなたは」を「私は」にしていわゆる「I メッセージ」で、

押し付けがましくならないように語りかけるのは、

子ども自身に考える力を育てる意味もあると思いました。

 

私自身、菅さん式の練習をやってみて、勉強になりました。

 

写真は ケータイやスマホを親子コミュニケーションのきっかけに ベネッセ教育情報サイト から

菅さん式人生相談の練習(前編)

先日、菅官房長官のことについて、この欄でもふれましたが、

同じ元秘書の方のお話で、

菅さんは新聞の「人生相談」の「答え」の方を隠して

「相談者」の相談内容の方だけを読み、

「自分ならどう答えるだろう」と考える練習をされているということでした。

 

私も、似たようなことを時々やってみていて、なるほどなぁという回答はメモしておいたりします。

朝日新聞の人生相談での、上野千鶴子さんや美輪明宏さんの回答は感心することも多いです。

 

さて、最近の記事を使って、人生相談の練習をしてみましょう。

 

***** 以下引用 *****

【玉置妙憂の心に寄りそう人生相談】片時もスマホを手放さない高校生の娘  9/4(金) 17:31

 

【今回の相談内容】

次女のスマホの使い過ぎをやめさせることができません。

高校生の娘は本当に四六時中、スマホを片手に持っていて、トイレに行くときもお風呂に入るときも、スマホを手放すことができません。

みかねて「我が家のスマホルール」を作ったのですが、守ってくれることはほとんどなく、友人家族のやり方を参考にしたり、インターネットで調べた方法を試したりもしましたが、まったく効果はありませんでした。

この状況に妻はかなりイライラしているようで、私たちの目を盗んで娘がスマホを使っていることに気づくと、露骨に口数が減り、家の中がギクシャクします。

ただ、娘にとってスマホが大事なコミュニケーションツールということもわかっているので、思春期の娘の気持ちもないがしろにしたくないと思っています。

みんなが幸せになれる効果的な方法はないのでしょうか。(49歳・男性・会社員)

*****

 

どこの家庭でもあるような相談内容ですね。

皆さんならどうお答えになりますか。

ちょっと考えてみてください。

私の考えた回答と、本物の回答者 玉置さんの回答は、明日のこの欄でご紹介します。

タカラヅカの伝統、本校の伝統

宝塚、「伝統」の一対一指導廃止

という記事が。今朝の朝日新聞に掲載されていました。


「タカラジェンヌを養成する宝塚音楽学校(兵庫県宝塚市)が、生徒間に受け継がれてきた不文律をなくした」

ということです。


記事を読むと、この不文律にはいろいろあるようです。

 

(先輩が乗ってるかもしれない?宝塚の親会社の)阪急電車を見たらお辞儀をするとか、

先輩の前ではみけんにしわを寄せて口をへの字にする「予科顔」をするとかいくつかは、

ちょっと独特のルールですね。

いくら永い伝統とはいえ、

ハラスメントに敏感な今の時代にはそぐわないものもあったように思えます。

 

この伝統については、創始者・小林一三の

「華やかな世界だからこそ、規律正しく生きるべきだという価値観」

が根底にあるという識者の指摘もあるようです。


OGのタカラジェンヌの方のインタビューでは、「人として大切な姿勢も教えてもらった」

という反面、

「理不尽なことに耐える精神力は鍛えられましたが、もう二度と戻りたくありません」

 ともおっしゃっています。

 

宝塚音楽学校OG、本科生の指導「ハラスメントだった」

宝塚音楽学校(朝日新聞デジタルから)


さて、そこで今朝は本校の伝統についてはどうだろうと考えてみました。

 

数ある本校の伝統の中でも、私は真っ先に誇るべきものは、

学年縦割りの生徒会組織、東輪会だと思います。

今年度はコロナの影響もあり、恒例のレクレーションは実施できていませんが、

この欄でも何度も紹介している毎日の黙働掃除には、パワーアップしながら取り組んでいます。

 

どんなに昼休みに汗びっしょりになって、グラウンドで遊んでいても、

掃除開始5分前には、生徒たちは潮が引くように掃除場所に集合します。

(本校ではチャイムは鳴らしません)


まず、定刻を待ちきれないように、14時少し前に

班長を中心に、始めの会で今日の目標などを出し合います。

昨日の反省に基づいた発表と拍手が、校内のあちこちで聞こえはじめます。

その後、各自が担当場所に付き、時間いっぱい「気づき掃除」をします。

もちろん、無言で黙々と行います。

そして、終わりの会では、今日の反省や気づきを発表して、拍手で終わります。

 

この間、先生たちに気づきを促す指示やアドバイスはあっても、大きな声はありません。

原則、先生たちも一緒に黙って掃除されます。

この「気づき・考え・実行する黙働掃除」で、本校生徒は毎日PDCAの練習をしているのです。


私はこの黙働掃除は、日本一の生徒会ならではの素晴らしい伝統になったと思います。

本校生徒は卒業しても、この黙働掃除で培った力を生かしてくれるでしょうし、

黙々と取り組んだ気づき掃除をなつかしく思い出すことでしょう。


保護者、地域の皆さんにも、機会があったら生徒たちの掃除している様子を

また見ていただけるようになったらと思っています。

『ホンマでっか!?TV』からの「プロセスを振り返る」

 

先日、テレビをつけてみたら、さんまさんのバラエティ番組があっていました。

いわゆる「方向音痴」のタレントの人が何人か出ていて、

「方向音痴」にまつわるエピソードをトークするというものでした。

 

ニュースが始まる時間までと思って見ていたら、

「目的地まで行くのはいいが、帰り道がわからなくなる」という人がいて、

話が進んでいました。

???

これはまったく私のことです。

よく困るのは、大きな駐車場に車を停めるのはいいけれど、

帰りに自分の車を見つけるのに苦労することです。

 

一例を挙げると、ゆめタウンの立体駐車場で、停めたところを「緑の6G」と記憶して、

「よし、緑のエスカレーターで上ってきて、こちらに出てこっちの緑の6Gだな」と確認していったのに、

買い物を済ませて戻ってくると、どうしても車に行き着かず絶望的になったこともあります。

 

その時は20分ほど迷ったあげく、

もしかしたら、立体駐車場の階数を間違えていて、

もう1階上のフロアの「緑の6G」だったのではないかと気づきました。

案の定、上に行ってみると、車がありました。

私が帰ってくるのを愛車が行儀良く待っているのを見つけた時は、とてもうれしかったです。

 

さて、番組でも私のようなタレントさんがいて、

その人には「後ろの風景を思い浮かべながら進むと、帰り道で迷わなくなる」という

アドバイスがされていました。

 

 『ホンマでっか!?TV』から

 

実は私も、(思い出したときは)

駐車場のエスカレーターに乗る前に、もう一度車の方を振り返って確認したり、

旅行などで慣れない場所に行ったときは、

周りの様子も含めて、駐車場所の写真を撮ったりするように心がけているところです。

 

また、このことについて、さんまさんが

「カーナビのなかった頃は、どんなに知らないところにも、自分で地図を見てたどりついていた。

そのせいか、帰り道に迷うことなんかなかった」

と言われていました。

なるほど、他の人やモノに頼るのも考えものです。

 

このことを、日常生活で考えてみると、どうでしょう。

 

先のことばかりに目を奪われるのではなく、

ちょっと立ち止まって振り返ったり、

ここまでのプロセスを確認したりすることが、

後々のために大切ということではないでしょうか。

また、他の人に頼らずに、自分の頭で考え、判断することも大事なようです。

 

そのことが本校の「先見」の参考になるのかもしれません。