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二つの「為せば成る 為さねば成らぬ」

上杉鷹山

「江戸時代中期の大名。出羽国米沢藩9代藩主。領地返上寸前の米沢藩再生のきっかけを作り、江戸時代屈指の名君として知られている。」(Wikipediaから)

江戸時代としては革新的な財政改革や教育改革などを断行し、米沢藩(現在の山形県)を立て直しました。

実際に藩内の農村を歩いて回り、人々と直接会話を交わして、施政の参考にしたという逸話も多く残っているようです。

また、ケネディ大統領が日本人記者のインタビューで、

「尊敬する日本人」として鷹山を挙げたということで、注目を集めたそうです。

たしか、日産の元社長のカルロス・ゴーンも、鷹山のことを知っていて、

鷹山を引き合いに出して、ゴーン自身も工場を歩き回ってコストカットに取り組んでいたと思います。

 

上杉鷹山の

「してみせて言って聞かせてさせてみる」

という言葉をアレンジして、

「やってみせ、言って聞かせて、やらせてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」

と言ったのは、山本五十六です。

この言葉は人に物事を教える際のポイントを端的に言っていて、有名ですね。

 

他にも、鷹山の詠んだ有名な歌があります。

「為せば成る 為さねば成らぬ」

で始まる歌で、皆さんもお聞きになったことがあるでしょう。

この後は「何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり」

と続きます。

 

為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり

 

「トライすれば何事も達成できる。達成できないのは、トライしないからだ」

という、藩の改革を断行したリーダーシップの持ち主らしい言葉ですね。

私も長くこの言葉に元気づけられてきたように思います。

 

しかし、この鷹山の歌には、彼が参考にしたであろう元歌?があります。

 

それは、

為せば成る 為さねば成らぬ 成る業(わざ)を 成らぬと捨つる 人の儚さ(はかなさ)

という歌で、

詠んだのは戦国時代の武将、武田信玄です。

「トライすれば達成できることを、どうせできないとあきらめてしまう、人のはかなさよ」

という意味でしょうか。

「どうせできないとあきらめてしまう」人間というものを、

「はかない、むなしいものだ」とため息をついているようです。

鷹山の歌の果敢な感じ、断固とした感じに比べると、

信玄の歌は、「なんでみんなそうなのかなあ」「わかんないのかなあ」

という嘆きも伝わってきます。

昔からリーダーは孤独なものだったのでしょう。

 

今日は、私より一つ年上の天皇陛下のお誕生日です。

一昨年の5月には、半蔵門のところで

車から手を振っておられるお姿を、直接拝見することができました。

心からご健康をお祈りします。